経営計画書の策定

一倉定先生の指導は主に次の2つです。経営計画と環境整備です。

 経営計画を作りなさいと指導する人は増えていますが、一倉先生の経営計画は「市場計画」です。正しい経営とは、正しい事業活動のことであり、事業活動の本質は、市場活動だと定義しています。市場には、お客様と同業他社しかいない。自社と同業他社がお客様の取り合いをしているのが事業経営。だから、市場の変化に対して、会社がどう行動するのかを計画に落とし込む。特に赤字会社の場合はそうですが、市場の変化を正視し、お客様が本当に求める自社の商品・サービスを販売する。経営理念は定めることなど後からでよい、市場活動が極めて重要だと言っています。

一倉先生は、自分の会社のことが知りたければ経営計画を作成しなさいと繰り返し言っていました。経営計画は数値計画と経営方針から成ります。コロナによって、市場の影響がどのように出ており、それに対して自社がどのように対応するのかという経営方針(市場計画)を描くことを求めるはずです。

 

 

経営計画書の策定

一倉先生は、経営計画書の策定を社長の”最重要の仕事”と述べています。

先生が実地のコンサルティング指導で最も重要視したのが、この経営計画書の策定でしょう。
 大抵の企業では、経営計画書があっても、それは経営企画部門だとか、総務部門とかが、ほとんど策定して役員がそれを会議で了承したようなものではないでしょうか。
 一倉先生は、それは全く間違った態度で、社長自らが計画しなければならないと述べています。
 経営計画書は、会社の中で最も大切なものであり、社長の考え方以外のことは一切のせません。
 経営計画書には会社のビジョンが書いてあり、会社が今後どのような事業を展開していくか、何に重点を置いていくか、人は増やしていくのかどうかなどが載っています。
 経営計画書がないと、社長が社員に「頑張ってくれ!」と言っても、何を頑張ればよいかわかりません。どの得意先に、どれくらいの頻度で行けばよいのか、商品の開発はどのようなものをやっていくのか、社員はわかりません。
 それが分かる社員がいるとすれば、その人が社長をやればいいのです。社長の頭の中にある目標や方針やビジョンを書き出して、経営計画書という書面にまとめあげます。
この効果は凄いものがあります。
 会社を発展させたければ経営計画書を策定してください。 

一つだけポイントを挙げますと、5年、10年という中長期計画ではなく、最初に1年間の短期計画を策定するとよいのです。 
 初めてのことには慣れも必要ですから、まず1年の短期経営計画書を作ってみて、翌年度に3年~5年の中期経営計画を策定するとよいでしょう。

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