新規事業の進め方

 開発部門は兼任にしないことも大事です。

 新規事業や新商品開発は、原則として専念して行う必要があります。現事業と未来事業とを同じ人か同じ部署で行うと、必ず現事業が優先されることになります。現事業には収益がありますが、未来事業には収益がないからです。儲かる仕事と今は儲からない仕事がバッティングしたら、普通は儲かる仕事が優先されます。そして、時間が余ったら、今は儲からない仕事に取り掛かろうと考えようになります。しかし、時間が余ることはなかなかありませんし、余ったとしても、儲かる仕事を余計にやってしまうことになります。すると、今は儲からない仕事は、時間外にやるか、週末にやるかという話になります。そこまでしてやる人はなかなかいないでしょうから、今は儲からない仕事は、「そのうちやる」と言いながら、「いつまでもやらない」という結果になります。

 したがって、新商品の開発は、専任の人もしくは専門の部署でやる必要があります。

 また、未来事業部門は、現事業部門から、「あいつらは毎日儲けも出さないで遊んでいる」と批判されることになります。それはそうです。現事業が稼いだ収益を使って、未来事業の開発に取り組むわけですから、当然そうした意見は出ます。程度の差はありますが、どんな組織でも そういうやり取りは出てきます。しかし、そんな批判を恐れて新商品の開発を怠れれば、未来の食い扶持ちはいつまで経っても開発できません。そこで、経営者自身がその未来事業部門の責任者になることが求められます。その場合も、「社長の道楽」などと陰口を叩かれることになるのですが、中堅幹部や一研究者を責任者にするよりは はるかに重みが出ます。

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