花崗岩 玄武岩

 大陸が誕生し、アルプスのような山脈が生成されるのは、直下型地震という垂直方向の爆発が頻発して、海底が浮上することが原因です。そのとき、マントル上部の結合水を多く含んだマグマが固化し、結晶化して花崗岩の大陸が誕生します。

 花崗岩は、玄武岩マグマが大陸という空冷式冷却によって、時間をかけて ゆっくりと深部で冷え、結晶質の岩石に変化したものです。

 上層のマグマには結合水が存在して結晶化するので、花崗岩は玄武岩より白く軽い。そのため、大陸地殻が軽い物質で構成されるわけです。

 なお、結晶化すると体積が増えますので、軽くなりますが、下部の重い玄武岩が花崗岩を浮かせているのではありません。

 海洋部の薄い地殻が浮上して大気にさらされると、熱が奪われて熔融していたマントル物質、つまりマグマが冷却されます。このとき、マントル上部にあったマグマの内部は解離度が低いので解離水は少なく、結合水を含んだままの状態で浮上します。火山から噴出するマグマと違って、水を含んだまま、しかもゆっくりと冷却されるので花崗岩が形成されるのだろうと思います。その下にあるマグマは、解離度が高く酸素と水素に解離してしまっているために、花崗岩とはならないで、玄武岩のような岩石となるのではないでしょうか。

 玄武岩は、下部マグマ(水は解離しているので無水状態)が冷却する場合と、上部マグマが地表被覆を破って噴出して冷却する場合とがあると思われる。噴出すれば、上部マグマであっても発泡して水は抜けてしまうので、花崗岩にはならない。大陸が浮上すると放熱されるので、マグマは固化するが、無水の下部マグマは重い玄武岩となり、水を多く含む上部マグマは結晶化して軽い花崗岩になる。花崗岩の下に玄武岩があるが、その深さでは結合水がなく、解離水(酸素と水素)として存在するから結晶化しないのです。

 火山の火道を上がってきたマグマは結合水を多く含んでいますが、地表付近で水蒸気が発泡して抜けるため、固まっても玄武岩にしかなりません。たとえ、発泡しないとしても、短期間で冷却しますので、花崗岩になることはないのでしょう。これが大陸部分にのみ花崗岩が存在する理由なのです。

 水が解離状態で存在するマグマの下層部は、浮上して冷却されても無水ですから、結晶化せず、黒い苦鉄質になるのです。大陸の地表に見られる玄武岩は、火山から噴出したものか、昔海底にあった玄武岩の一部なのでしょう。

 玄武岩は黒っぽい。構成する鉱物が有色のものが多く、花崗岩の白っぽいのは無色あるいは白っぽい鉱物が多いということです。有色の鉱物とは、色のついたもののことで、玄武岩をつくる鉱物では、濃い色を持ちます。そして、有色鉱物は、マグネシウムと鉄を多く含む鉱物の場合が多く、そのようなマグネシウムや鉄を多く含む鉱物は、苦鉄質鉱物といいます。

 無色の鉱物とは、色のない鉱物で、一般には透明です。白っぽい鉱物は、少量含まれている成分やできた後の変質や風化によって、もともと透明な鉱物が、白っぽく見えることもあります。無色あるいは白っぽい鉱物の代表は、珪酸(珪素と酸素)をたくさん含む石英や長石(アルカリ元素とアルミニウム、珪素と酸素)などです。無色あるいは白っぽい鉱物とは、珪長質鉱物とも呼ばれます。
 鉄を多く含む鉱物は比重が大きくなり、アルカリ元素やアルミニウムは比重が小さくなります。そのため、玄武岩のほうが比重が大きく、花崗岩が小さくなるわけです。

 マグマの中における水の解離現象が大きな影響力を持っており、解離度が高くなっている深部では、完全に無水状態となるために、より密度の高い橄欖岩のような岩石が生成されるのではないでしょうか。

 陸側プレートの地殻が薄い場合は、マントルダイアピルが浅い場所でマグマを分離することができるため、安山岩質マグマが直接生成される。

 陸側プレートの地殻が厚くなると、マントルダイアピルが低圧でマグマを分離できるような部分が無くなるので、玄武岩質マグマしか生成できない。

 大陸が沈降した場合はどうなるでしょうか。厚みのあった大陸地殻も海底に沈降すると、熱が奪われ難くなって、かつて玄武岩や花崗岩であった部分が熔融して、マントル物質に同化していくものと考えられます。熔融しない部分も熱作用を受けて変成岩に変わっていく。これが、海洋底には花崗岩が存在したとしても、僅かであって、陸地のような厚いものにはならないという理由です。

 かつて山脈であったような部分は、大西洋のロッコール海台のように、花崗岩のまま大陸性地殻の性質を持ったまま存在します。そして、海底火山の活動などで噴出する玄武岩に覆われるようになり、海洋化していくものと推定されます。

 海底部分は、浮上すると温度と圧力が下がりますので、橄欖岩は蛇紋岩などに変質します。また、堆積岩にはアンモナイトのような海底生物の化石などが混じることになります。海底での熱放出は水冷式であり、陸上では空冷式ですが、深海での海流と陸上での空気移動を比較すると、はるかに空気移動のほうが激しいので、空冷式放熱で冷却されるほうが激しいと考えられます。大陸の地殻(固体部分)が厚いのは冷却されやすいからです。

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