月の生成メカニズム

 地球の創成については、宇宙のガスやチリが集まったとか、あるいは隕石がぶつかってだんだん大きくなったとか、いろいろと説明が宇宙物理学者によって言われています。真相は、宇宙のチリが集まったわけでもなければ、隕石がぶつかってできたものでもありません。地球は太陽が出産したもので、太陽の一部がある種の爆発を起こして別れて出てきたのです。

 地球は、当初、非常に燃えている球体でありましたので、この熱が冷めて実際に生命の起源に当たるものが登場してくるのに10億年以上かかっていると思われます。

 ところで、月の創成についてですが、いくつかの説があります。

 代表的なものは「ジャイアント・インパクト説」です。これは、地球に火星程度の惑星(地球の半分くらい)が衝突し、そして月軌道に入ったという説です。その前には「親子説」「兄弟説」「他人説」という3つの説がありました。

 「親子説」は原始地球が高速で回転していて、ちぎれて月になったという説です。月の成り立ちは、太陽の一部が爆発を起こして火球(地球)が太陽から分かれて回転し始めたときに、その火球の一部が分かれて太平洋部分に当たるくらいの容積の部分が地球の周りをまわる軌道を作りました。幸福の科学大川隆法総裁は、月の創生が「親子説」であると断言されています。

地球のマグマオーシャン時代に熔融マントル内で巨大な爆発(=地震)が起きて分裂した

月の生成 「親子説」

 アメリカのアポロ有人探査と旧ソ連のルナ無人探査計画によって月から持ち帰った岩石が<地球マントルの組成と酷似している。

 最古では地球でみつかるどの石よりも大幅に古いことが判明。地球上に見出される最古の石は35億年前のもの程度なのに、月の石の中には45億年前までさかのぼれるものがあった。

 マグマオーシャン時代に、月の体積に相当するマントル物質を放出するような現象があった。

 熔融マントルの内部に蓄積した大量の解離ガスが爆発を起こして、マントル物質を宇宙空間に放出した。

 地球マントルの一部が爆発によって放出された時には、月もマグマオーシャンだったはずです。地球上には35億年前の岩石しか発見されていませんが、月には45億年前の岩石がある。地球にまだ地殻がなく、マグマオーシャンだった時代に月が分離し、地球よりも10億年早く冷却化が進行したと推定することが出来ます。

 月が地球から分裂した当時の地球はマグマオーシャンであって、地殻は誕生していなかった。一方分裂した月も最初はマグマオーシャンであったが、体積が圧倒的に少ないので、冷却が地球より早く進み、月殻の形成が地殻よりも10億年ほど早かった。

 月の表と裏では、地球を飛び出して誕生した時に すでに違いがあります。表側は地球深部の高温度のマントル物質が多く、裏側は地球表面に近い低温度のマントル物質で構成されていたことが推定できます。その後、マントルの対流があって冷却されていったのですが、誕生時に構成物質と温度がすでに違っていたことが大きく影響しています。表側は高温でマグマオーシャンも長く形成されていたのではないでしょうか。裏側は低温で冷却が早く進んだと思われます。

 岩石の残留磁気も熔融マグマが多かった時期に固形化した裏側のほうが強く、少なかった時代に固形化した表側の岩石は弱いということになります。

 裏側で火山爆発が起きた初期の頃は、内部圧力が表側のマグマオーシャンに抜けてしまい、溶岩の噴出は微量だったのでしょう。表側で玄武岩が噴出した頃の後期の火山活動では、裏側にも表側にも地殻が形成されていて、爆発の圧力が抜ける場所が無く、月面上に噴出したと思われます。それが月の海となっています。

 月面から回収された試料のもたらず化学情報と、周回衛星や月震計がもたらす物理探査情報を総合することによって、月の内部構造の概要が分かってきました。月の最外殻は、斜長岩というアルミやシリコンに富んだ軽い岩石でできた地殻が覆っており、その厚さは60~100㎞です。その下には地球と同じようなカンラン石や輝石を主体としたマントルがあります。このマントルの部分熔融によって海の玄武岩ができると考えられています。地球ではマントルの内側には、金属核があり、半径の約半分程度を金属核が占めていますが、月にはそのような大きな金属核は見つかっていません。あっても半径の1/4程度ではないかと予想されています。半径では倍しか違いませんが、体積あるいは質量では1桁の違いになります。

 地球と月では惑星の主要構成元素である金属鉄の量が1桁も違うことになります。

 地球と月とでは金属鉄の量が1桁も違うという理由は、月の誕生メカニズムと関係しています。月は地球の少なくとも表層から中層までのマントル物質が放出されて誕生したので、地球深部にある重い物質は含んでいないからです。

 月の石は、地球上の石と特に酸素同位体含有量において非常によく似た性質を持つ。しかしながら、月の石は地球の岩石と比較して、鉄の含有量が少なく、カリウム、ナトリウムといった揮発性元素に乏しく、また、水分をほとんど含まない。

 表側では、解離ガス(酸素と水素の混合ガス)は結合(=爆発=地震)するよりも放出される分が多く、固化した岩石には少ししか結合水が含まれないことになります。解離ガスが放出されてしまう理由は、解離能力(解離水を含有することが出来る能力)が高い地球深部のマントル物質であっても、宇宙空間に放出された瞬間に地表と同じ解離能力に下がってしまうため、結合することなく宇宙空間に放出されてしまうからです。これが表側で採取された岩石には水分が含まれないという原因だと思われます。

 解離爆発によって地球から分離した46億年前はマグマオーシャンの時代でありました。その頃には爆発が起こってもクレーターなど形成されません。それから数億年経った時代には温度の低い裏側が固化し始めます。

 この時代に固化した岩石には、かなり強い残留磁場が記録され、水分(結合水)も含んだ岩石になっているはずです。裏側での火山活動は活発に起きますが、表側はマグマオーシャンのままですから、熔融物質が裏側の月面に溢れ出ることはありません。

 次第に表側も固化が始まり、月の殻が完成します。この時代の火山活動は殻の薄い表側のほうに激しく起こります。マントル対流が原因で解離と結合の関係が不安定になるたびに、つまり、大きな火山爆発のたびに、殻内部の圧力が増加して玄武岩マグマを噴出させます。これが月の海と呼ばれているものです。

 表側に玄武岩で構成される「月の海」が形成されているのは、ようやく月全体に月の殻が形成されて、殻の内部から、熔融マントルであるマグマが火山活動によって噴出するからです。デカン高原に見られる広大な玄武岩台地のようなものが、月の海に相当しています。

 完全に殻が形成された時代以後は、地球のマントル対流と同じような対流が起こり、深発地震も浅発地震も地球と同様に発生します。殻の厚みが増えた現在でも、小規模ながら爆発(=地震)は継続していて、月にも浅発地震、深発地震という現象が存在します。

 基本的には、月のクレーターは火山起源のものも多いと考えています。月が地球から分裂し誕生した45億年前には、月はマグマオーシャンですから、解離ガスの爆発が起こっても、クレーターが形成されることはありません。5~7億年経過した頃から、誕生時から温度が低かった裏側を中心に、さらに冷却が進んで表面マグマの固形化が始まります。その頃の爆発では、クレーターが形成されますから、裏側にはたくさんのクレーターが存在します。

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