天文学者の考える別次元世界

 ロンドン大学クイーン・メアリー校の天文学者バーナード・カー教授が、「我々の意識と通じる別の次元が存在する」と主張している。

 アインシュタインは相対性理論において「4次元」を想定した。そして、現代の物理学の最先端をいく「超弦理論」では、10次元までが想定されている。カー教授は、さらにもう1次元、物質を超えた意識とつながる次元が存在すると指摘する。こうした次元構造は階層的なものであり、我々の存在する3次元はその最下層であると考えているという。

 現代科学の世界では、意識が何かということは明確にされておらず、脳の作用だと思われている。しかし、バーナード・カー教授は、肉体とは別の意識とつながる非物質的な別次元の存在を想定しなければ、哲学的な「肉体と精神」の問題をはじめ、時間というものの本質や幽霊や幽体離脱、臨死体験や夢といった現象の説明がつかないという。

 もちろん、今のところ人間が別の次元に行くことは想定されていない。しかし、多次元が存在するならば、紙を折り曲げるように、3次元空間を曲げて、2つの地点をくっつけることができる可能性はある。宇宙のかなたの星と自宅の玄関がくっつけば、ドラえもん の「どこでもドア」のように一瞬で行き来できることになる。

 「空間を曲げる」ことは荒唐無稽な話ではない。ノーベル物理学賞を受賞した重力波の観測は、言い換えれば、「空間の歪み」の変動を検出できたということである。空間の歪みは重力によって発生する。星の衝突などで重力が変動すると、それによる空間の歪みが地球まで伝わってくる。それが重力波である。人間の感覚ではわからないが、空間は常に歪んでいる。

 ワープするものも存在しないわけではない。物質の最小単位と言われる「量子」には、私たちの生活感覚からすると奇妙な性質がある。その一つが「量子もつれ」である。ペアになった2つの量子のうち、一方の状態を変化させると、もう片方の状態も同時に変化するという性質である。

 この変化は距離に関係なく瞬時に起きる。つまり、量子の状態が変わったという情報が、光速を超えて伝わる。もしかすると、別次元を通り、ワープして伝わっているのかもしれない。

量子力学が霊界研究につながるかもしれない