フィラデルフィア実験

 1943年8月12日、米国海軍駆逐艦エルドリッジには、デガウザーと呼ばれる強力な磁気パルス装置が搭載されていた。スイッチが入れられ、駆逐艦の周囲に強力な磁場がかけられた。するとエルドリッジはみるみる緑色の霧に包まれ、海面に船底の跡だけを残してその姿は全く見えなくなってしまった。さらにエルドリッジはフィラデルフィアからテレポートしてノーフォークに忽然と姿を現し、数分後、再びフィラデルフィアへと戻ってきたのです。

 第二次世界大戦中から、アメリカの諜報機関は、ナチスの異常な武器技術開発の進歩に疑いの目を向け、様々なスパイ活動をしておりましたが、戦争終結と同時に、ナチスの様々な研究所に踏み込んで、資料を押収し、研究者をアメリカに連れていく中で(一部はソ連に連れていかれた)、驚くべき発見をしました。

 1938年までには、ポーランドに墜落したと思われるUFOを極秘裏のうちに回収し、それを宇宙人の協力を得て研究して、基本的な飛行(反重力装置による上昇)まで成功していたらしい、ということです。ただ、アメリカ製の「UFO」がその水準に達したのは 1971年頃だそうです。

 フィラデルフィア実験は、第二次世界大戦が始まった直後に、ナチス・ドイツが非常に感度の高い新型機雷を発明して、アメリカ海軍が重大な危険にさらされるようになったので、軍艦の磁性がドイツ製機雷の磁石に反応しないように、「船体の磁性を消す」(一種のステルス)ことを目的として始められました。

 アメリカ海軍では、船が本来持っている磁気を消去することが急務とされた。当時の資料によると、海軍が電磁石を利用して、艦船の消磁を試みたのです。

 この実験のもとは、1931年にシカゴ大学で始まった『プロジェクト・レインボウ』と呼ばれた極秘プロジェクトである。本来、この実験は防衛的な意図で着手されたものだった。強力な電磁場で船体を包み、砲弾や魚雷を逸らそうというものである。いわば、現代のステルス・テクノロジーの先駆けだったのである。

 ニコラ・テスラフォン・ノイマンアインシュタインなど、その代きっての天才たちが手掛けていたものです。船の周りに電磁コイルを張って、ある種の磁場をつくることも行われました。

 巨大な船は同じ方向を向いたまま建造されるので、地球の磁場により磁気を帯びる。これを利用して開発されたのが、磁気に反応し爆発する「磁気水雷」である。船体を電磁波で包むことで、船体の磁気を消し磁気水雷を避けようという実験である。また、レーダー探知を避ける実験でもあった。

 艦船を消磁するには、普通、電磁石を使用する。艦船に大きなコイルを巻きつけ、そこに大量の電気を流す。すると電流が磁場を生み、これが艦船が持つ磁場を相殺する仕組みになっている。全長が100メートル級の艦船を消磁するために、巻きつけるコイルだけでも馬鹿にならない。エルドリッジは全長92メートル、排水量1240トンという大きさであった。もっと効率のよい方法はないかと注目されたのが、高周波を利用する方法であった。エネルギーの大きい高周波を使って一気に消磁する。これがフィラデルフィア実験で行われた消磁実験でした。

 当時、高周波の権威といえば、アメリカでは ニコラ・テスラ でした。テスラは、磁束密度の単位T(テスラ)に、その名を残したことでも有名な電磁気学、とりわけ高周波装置開発の草分けであった。軍部が特に期待していたのは「テスラ・コイル」であった(発電機と変圧器を組み合わせた高電圧高周波振動電流発生器)。というのは、高周波を兵器として利用できないかと考えていたからです。周波数の高い電磁波は人体には有害であり、使いようによっては強力な兵器にもなりうる可能性を秘めている。そのため、軍は早い段階から テスラ を取り込み、高周波兵器の開発を一任。フィラデルフィア実験においても、総指揮を執らせたのです。特に、この テスラ の名を冠した装置は、今日でも電子レンジなどに使用されています。

 1943年8月12日、ペンシルバニア州のフィラデルフィア海軍工廠で、エルドリッチの消磁実験が行われた。全ての準備が整い、メインスイッチが入れられた。その瞬間、不気味な振動と共に、テスラ・コイルの周囲から異様なほど美しい青白い光が乱舞し始めた。やがて、ドーム状にエルドリッジの船体を包み込むと、今度は シュルシュルッ と虫の羽音のような音が響き渡った。そして、船内の至る所から パチパチッ という電気的なスパークが発生し、その閃光が走った。この時、実に恐るべきことが起こった。エルドリッジの姿が消えたのである。大勢の軍人が見守る中、忽然と消滅してしまった。それはあたかも霞のように空中に消えた。

 一方、エルドリッジの船内では、次々に異様な現象が起こり始めた。青白い光が船体を包み込むと、頭上の青空は一瞬にして消え失せ、メインマストのアンテナと送信機材が超高熱で溶けてしまった。被害は突出している部分ほど激しく、雷に打たれたように爆発して弾け飛んだ。

 強烈な電磁場に包まれた船内では恐ろしい事態が相次いだ。エルドリッジに乗り込んだ軍人たちは、この世のものとは思えぬ惨状を目にした。人体の一部、あるいは全身が真っ黒な灰と化した人間の姿、発狂したまま空をにらむ者、体が硬直したまま呼吸が停止した者、さらに異様なものがそこにあった。船内の各所から、人間の体の一部が突き出ていたり、生えていたのである。人体と船体が合わさった状態で発見された。また、生き残ったエルドリッジの水兵は、全員例外なく体の不調から入院し、そこから精神病院に送られる者が続出した。生き残った者で復帰した者はなく、全員廃人同然か、死亡する結果となりました。

 この フィラデルフィア実験 では、もう一つのテレポート現象もみられました。フィラデルフィアの海軍工廟で消滅したエルドリッジは、その同時刻、ノーフォークの軍港に姿を現した。ただし、アジェンデの書簡ではフィラデルフィアからノーフォークに移動したのは数分間で、そこに留まっていた時間も数分間としている。しかし、実際は違う。移動した時間は、ほぼ瞬時であり、ノーフォークの軍港に姿を現していた時間は6時間だったという。数分程度なら、ひょっとしたら何かの幻覚、見間違いとも言えるが、6時間もエルドリッジを何人もの軍人が目撃しているのだから、間違いようがない。なぜ、ノーフォークの軍港に姿を現したのかは謎である。元々、エルドリッジは砲弾や魚雷などをノーフォークの軍港で積み込む予定になっていた。それが関係しているのかもしれない。テレポート現象はノイマンほか、他の軍人たちも全く予想していなかった。しかも、1度ならまだしも、10月28日の実験においても、一部であるが、距離にして320kmを瞬時に移動したのである。

 8月12日の実験では関係者の間でかなり動揺が走ったが、ただ、信じがたい結果になった中での成功とされた。そして、海軍の実験に対する執念により、同じ実験を今度は水兵を乗せずに行うことになった。10月28日、今回は海上ではなく、フィラデルフィアの海軍工廟に引き上げての陸上実験であった。コントロール装置もブリッジではなく、陸上に置いた。考えられる対策は全て施し、万全の態勢で実験は行われた。しかし、スイッチが入ると、予想以上にテスラ・コイルは暴走。青白い光がエルドリッジを包んだ。船内はかなり破壊された。不可解なことに、船体そのものはテレポートしなかったが、送信機と2基のテスラ・コイルが姿を消した。  

 これを受けて、軍部はテスラ・コイルによる消磁実験を国家のトップ・シークレットに指定。その後も極秘裏に研究を進めた。

 この怪奇事件に関する唯一の証言は、1955年、UFO研究家のジェサップの元に届いた「実験の一部始終を目撃した」と称するカルロス・アジェンデからの手紙である。ここから、「フィラデルフィア実験は国家が極秘で行ったテレポート実験だった」という噂が世間に広まりました。ジェサップが翌年に変死したが、「あの実験が本当だったから抹殺されたのだ」と噂に拍車をかけました。

 「フィラデルフィア実験」のメカニズムを検証すると、物体の透明化はプラズマ化した物体の状態と似ており、艦船のテレポートもプラズマによる亜空間を移動したとすれば理解できる。実験の最中に発生した異常な事故は、テスラ・コイルの電磁波交差によるプラズマ発生が引き起こした偶発的な事態だったと考えられる。この時に発生した巨大プラズマのエネルギーはすさまじく、一瞬にして多くの水兵を蒸し焼きにしたり、体内発火させて灰塵としてしまう。慌てた技術者たちは、なんとか2基の高周波発生装置(テスラ・コイル)をコントロールしようともがいたが、結果的にそれがエルドリッジを包んだプラズマを遠方に移動させた。そのためエルドリッジも亜空間移動し、結果的にノーフォークに出現したが、再度コントロールの暴走から元のフィラデルフィアに戻ってしまう。この時、エルドリッジ全体を覆った青白い光こそプラズマそのものだったとされる。

 

 問題は、これに関するアメリカ海軍の秘密資料の中に、「この実験は、アインシュタインの『統一場理論』を応用して行われた」という記述があることです。

 フィラデルフィア実験は、本来、艦船の消磁を目的とした実験であった。アインシュタインの統一場理論による物体の不可視化計画ではなかったのである。

統一場理論

 そして、事故が起きて中止された フィラデルフィア実験が、その数年後に極秘裏のうちに事実上再開されていたようです。

 アメリカによるこれらの「技術開発」も、宇宙人から得た情報に基づいて行われたようです。

 通説では、「1947年のロズウェル事件以降、アメリカ政府と宇宙人の接触は始まった」ということになっていますが、それ以前から、遅くとも第二次大戦中には接触が始まっていたということを意味します。

 ナチスがはじめに原爆を作り始め、その流れの中で UFOも作っていた。これは、宇宙人から得た情報を基にして進められたものだという。「やっている側の思い(動機)」の問題と、そこに同通してくる「協力者(宇宙人)の種類」の問題が、そこには在るように思われます。