火山の爆発

 地殻の深部で起きる爆発が地震であり、浅部で起きる爆発が火山なのです。

 フンボルトは、中南米の火山活動を現地で観察し、貫入現象が深部で起こるのが地震、浅部で起こるのが火山活動であると見抜き、両者には密接な関係があると考えていました。

 噴火は、①マグマ自体が噴出する「マグマ噴火」、②マグマが地下水などに直接触れて起きる「マグマ水蒸気爆発」、③地下水が急激に温められて起きる「水蒸気爆発」 の3タイプがある。

 火山の場合には、水蒸気爆発という水蒸気が液相(超臨海)から気相に変化する爆発が起きるので、複雑な現象となりますが、基本的には地震現象と同じ解離ガス(酸素と水素の混合ガス)の爆発現象です。

 火山の爆発というのは、第一段階だけで終了し、爆縮反応が起きない場合の自然現象であると解釈されます。

 水蒸気爆発とは、地下水とは関係なくマグマ自体に含まれる解離水(酸素と水素の混合ガス)が小爆発(火山性地震)によって、結合水(H2O)に変化し、臨界状態にあるH2Oが何十倍にも爆発的に気化する気化爆発のことを意味しています。

 水蒸気爆発は、マグマの上昇を伴わないことが多い。大量の水蒸気が発生して圧力が急激に高まることで起きる。火口付近の岩石が砕け、マグマ片を含まない噴石や火山灰として周囲に飛散する。水蒸気爆発と地下水は関係ありません。

 火山性地震が急増していたということは、地下水など関係なしに、結合水がマグマ内部、またはマグマ溜りのような空間に急激に蓄積されることを認識しなければいけません。それが山体が膨張させることもありますし、事象が終了すれば、減圧効果で池のような形状の陥没地形を形成することもあります。

 マグマ水蒸気爆発は、マグマ内部の解離ガスが水素爆発を起こして、水蒸気とマグマ片を一緒に噴出することによる爆発的噴火です。

 マグマが高い場所まで上昇していれば、熔融岩石であるマグマ自体が解離ガスと一体になって噴出しますから、流体の密度が高くなり、地表を這うような火砕流となります。

 御嶽山の噴火では、3km程度の火砕流がありました。マグマの上昇が高くなかったので、爆発に含まれる熔融岩石と解離ガスが少なかったのです。

 雲仙普賢岳では、かなりの体積のマグマ物質が噴出して、巨大な火砕流となり、人命も失われ、周囲を焼き尽くしました。収束したときには水蒸気が立ち込めていたことを見れば、火砕流の中身が解離ガスであったことが理解できます。雲仙普賢岳の火砕流について、山腹を駆け下り始める時は明らかに岩屑雪崩(粉体流)の様相ですが、下流では泥流の様相を示していたと思います。流れの後半で泥流になるというのは、解離ガスが地上で化学反応を終えて水蒸気になったから、それで泥流という液体の流れに変化したのではないのでしょうか。それならば、前半は気体の流れ、後半は液体の流れという不思議な現象が合理的に解釈できる。

 大洋の海底にある海嶺(または海膨)付近では、地球内部からマグマの上昇に伴う熱水噴出、熱水鉱床、チムニーの形成などの現象が存在します。そこで起っていることは、解離水の爆発による結合水の形成という現象です。

 海嶺部では、マントル物質は上昇に伴って小さな地震を起こして結合水を生成していきます。地殻の表面部分では全て結合水となり、解離水(地震の原因となる水素と酸素の混合ガス)は存在しなくなります。これと同じようなことが、火山の火道内部では起きていると推定できます。
 マグマは、火道を上昇するにつれて爆発(火山性地震)を起こし、解離ガスが結合水へと変換されていきます。これが火道内部の空間(火口下のマグマ溜り空間など)に蓄積されると、火山では水蒸気の噴気が見られるようになります。空間に結合水が、もちろん、超臨界状態で蓄積されると、山体の膨張も見られるでしょう。最後は、気化爆発を起こして本格的な火山活動が開始となります。マグマの上昇が高い場合には、火砕流の発生(マグマ水蒸気爆発)、マグマの噴出という災害を伴う危険な火山活動になります。

 マグマがもっと高くまで上昇している火山では、マグマ内部の解離ガス爆発で、マグマ自体が熔融状態のまま噴出してきます。ハワイのキラウエア火山などに見られる現象です。

 マントルを構成するマグマの中には、解離状態(酸素と水素に分かれている)と結合状態(水蒸気となって存在)の二つの形式で、水はもともと大量に含まれています。ハワイで見られるような地上の熔岩は、すでにガスが空中に抜けている状態で、爆発には関係しません。

 爆発するのは、結合状態の水が液相から気相へ急激に変化する場合(水蒸気爆発)と、解離状態のガス(解離ガス)が爆鳴気爆発を起こす場合(地震と同じ現象)との二つのケースがあります。後者の場合には、熔岩を伴って爆発しますので、水蒸気と噴出物とが混ざって黒色の煙を吹き上げます。また、火砕流となって流下する場合もあります。マグマが火道の中で下がっている場合には、水蒸気爆発しか起りませんから、煙は白い色になるわけです。

 マグマ内部での爆発が起き、上部に乗っている地殻物質ごと吹き上げると、黒い噴煙を上げる本格的な噴火になります。マグマの上部に貯留された解離ガスの爆発がきっかけで、水蒸気が吹き上げるのが白い噴煙の爆発だと思います。

 海底火山の活発化は、海流の変化を意味し、エルニーニョ現象やラニーニャ現象を引き起こして、気象災害を多発させます。地球内部の温度上昇が齎した熱バランスの破壊、つまり、気流の変化が原因だと思われます。

 

 近年の異常気象の原因の一つは、海底からの熱の放出という問題があります。

異常高温の原因は、海底からのマグマの熱放出も原因している。

地球温暖化のシミュレーションが当たらないが、原因の一つは 地球内部から放出される熱量が考慮されていないことにあります。海底火山からマントルの熱が放出されて海水温度を高めていることが、計算に組み入れられていないのです。

 

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