地震と津波

 津波は、地震爆発の結果であって、地滑りが原因ではありません。

 「地滑り」が津波を起こしたのではなくて、「大爆発」によって「地滑り」が起きたり「津波」が発生しているのです。

 陸上でも海底でも、大爆発によって「地滑り・崩落」は発生しますが、「地滑り・崩落」および「津波」は、加速度4000ガルを超えるような大爆発によって生じるものです。

 爆発の結果として斜面では地滑りが起きます。1972年の雲仙岳噴火、眉山の山体崩落による津波、リツヤ湾で起きた崩落による津波などは地上部分での崩落です。空中から落下すれば津波が起きますが、水面下の地滑りや、落下現像では津波にはならないと推定されます。

 「逆断層型」と言うのは、爆発が鉛直に近いもので、海底地盤が隆起して津波が起きます。第一波は、潮位が上がる「押し波」として襲来します。

 直下型というのは、爆発の向きが上下方向に向いている地震のことです。震源の直上の地表では隆起現象が見られます。地震が海底で起きれば、地盤を持ち上げて大きな津波を発生させることになります。津波の第一波は遡上する押し波となります。

 スマトラ沖地震では、インド方面の第一波は押し波で タイ側の第一波は引き波でした。スマトラ沖地震では、複数の地震が短期間に連鎖的に発生する連鎖震源になっていると考えられますので、津波を発生させた海底地盤の隆起は沿岸に沿った方向に延びていることが推定されます。この海底地盤の隆起が津波の第一波が「押し波」となり、巨大津波を発生させた原因です。

 「正断層型」というのは、爆発が水平に近いもので、海底地盤が沈下することによって津波が発生するのです。したがって、津波の第一波は潮位が下がる「引き波」として押し寄せます。

 押し円錐の軸が水平方向に近ければ、震源に向かうように地盤の沈降が起きます。津波の第一波は引き波となります。

 震源での爆発によって発生する押し領域は、押し円錐の軸が傾斜しているので海底に出現する押し領域は楕円状になります。楕円状の外部は全て引き領域になりますから、津波の被害を受けた東北の沿岸地方は引き領域となり、震源に向かって移動します。したがって、東に向かって移動し、沈降現象を伴うことが理解できます。津波被害を受けた東北地方の沿岸は、いずれも地盤の沈降が起きて、海水が引かない状況が起きました。

 近地津波、つまり、震源地が近くの場合には、同じ規模の地震なら、爆発が鉛直方向である地震のほうが地盤の変化する量(隆起)が大きく、津波の規模も大きくなります。

 遠地津波の場合には、他の要素、つまり大陸棚などの形状による様々な干渉効果があって、第一波が小さな引き波であっても、第二波、第三波と後続する津波のほうが大きくなる場合もあります。

 引き領域から発生する津波は、初動が引き波、つまり潮が引いていく現象が最初に来て、次に押し波が襲来します。かつ、何度も繰り返し襲来しますし、後のほうが大きい場合もあります。

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