悪霊、悪魔とはどんな存在なのか

 悪霊とは、この世に生まれた時に「足ることを知らない欲望、愚痴、不平不満、猜疑心、欲求不満、劣等感、自己顕示欲」といった煩悩にとらわれ、反省することなくあの世に帰って迷っている魂のことである。

 悪魔とはより積極的に「人々を害し、転落させよう」という悪意を持った存在である。    

悪魔

 特に、この世において宗教家、思想家、政治家などリーダー的立場にあった人で、自らの権力欲のために人々を恐怖に陥れたり、大勢の人を思想的に狂わせたりした人は、死後に悪魔となっているケースが多い。

 宗教には、表現は違えど「悪魔」と呼ばれる存在が登場する。

 キリスト教では、ルシフェルやベルゼベフと呼ばれる霊的存在が、「おまえが神の子ならこの石を変じてパンにしてみよ」などと、イエスを折々にそそのかし惑わしているエピソードが知られている。

 仏教においては、釈尊が悟りを開く前に悪魔が邪魔をしてきたことが仏典などに記されている。

 イスラム教でも「ジン」という砂漠地方の悪魔が出てくる。

 悪霊、悪魔は神仏のアンチテーゼとなる存在だが、そもそも彼らはなぜ存在しているのでしょうか。特に、キリスト教では、「神がこの世界を創られたならば、なぜこうした神仏に歯向かう存在を創られたのか」といった問いが繰り返されてきました。

 悪霊や悪魔は神仏が意図して創られた存在ではない。彼らは本来は神仏の子として創られた人間であった。私たちの心は自由であり、神仏と同じような思いを持つこともできれば、神仏と敵対するようなマイナスの思いを持つこともできる。神仏から与えられた「自由性」を間違って用いてしまったのが、「悪霊」「悪魔」と呼ばれる存在なのです。

 悪霊、悪魔は、どのようにして私たちに影響を及ぼしてくるのでしょうか。それを理解するヒントが「波長同通の法則」です。

 心から出ている波長が似ている者同士は引き付け合い、影響し合う。そのため、彼らと似たような悪しき思いを持たなければ遠ざけることができる。

 悪魔の場合は力が強いため、神仏の教えを広げようと努力している善なる人に対しても攻撃を仕掛けてくることがある。彼らから身を守るためには、宗教修行や神仏を信じる仲間との連携が必要になってくる。

悪魔の正体と見破り方

 幸福の科学大川隆法総裁は「人間として生きたときにかなりの悪業を積み重ね、死んで地獄に行って、千年、二千年と出てきてないようなタイプの人は、普通の悪霊とは言えず、悪魔と化している」と指摘し、彼らと戦うカギとして、「日々の精進から出てくる法力を身につける」「信仰心を高め、同じ信仰を持つ仲間で戦う」といった点を挙げました。

 悪魔や悪霊に対しては、彼らが間違っているということを知識的に教えて悟らせることである。そのためにも、私たちは仏法真理を流布する努力を日夜続ける必要がある。霊天上界においても、光の菩薩、光の指導霊たちは、日夜地獄をなくそうと努力しておられます。

 大川隆法総裁は、著書『宗教選択の時代』の中で以下のように説かれました。

「悪の問題で、宗教的に最も重要なのは、悪魔や悪霊たちをどうするかということです。彼らも、かつては地上で人間として生きていた者たちです。地上での数十年の人生を緑として、地上を去ったのち、地獄に堕ちて苦しみ、そして他の人々をも苦しめている。そうした悪魔や悪霊のなかには、人が苦しむのを喜んでいる連中が数多くいます。そうした者たちに対してとるべき態度は、いったい、いかなるものなのでしょうか。それは、悪魔や悪霊に対して、彼らが間違っているということを知識的に教えて悟らせることです。それによって、みずからの足りざるところや間違いというものを学ばせるということ、これは有効な手段です。そのために、私たちも、仏法真理の知識を流布して、迷いを取り去る努力を、日夜、続けているわけです。それも、地上の人間を、その迷いから目覚めさせ、覚醒させることにより、その人間が地獄に堕ちることを防ぐとともに、その人間を虜にしようとしている悪魔や悪霊の悪行をも、取り除こうとしているわけです。彼らは、地上の人間に憑依できなくなると、地上に対する影響力を、次第しだいに失っていきます。そして、地獄への、新しい悪霊の供給がなくなっていくと、地獄界は自然に消滅していくのです。さらに、地上を去った霊天上界においては、光の菩薩、光の指導霊といわれる偉大な霊人たちが、日夜、地獄をなくそうと努力しています。ですから、地上からの悪霊の供給を止めることは、光の指導霊たちの活動を非常に容易にすることにもなるのです。実際、地上の人間をめぐって、高級霊と悪魔が〝綱引き″をしているような場合もあります。その対象になるのは、たいてい、地上において影響力の強い人間です。そうした人間が悪魔のほうに引っ張られていくと、この世の人々に害悪を流していきます。逆に、高級霊のほうに導かれていくと、その人は、この世の人たちを光明化、幸福化する方向に人生を送ることになります。こうした綱引きが、日本各地や全世界で、毎日毎日、くり返されています。それが、高級霊と悪魔との戦いです。こうしたことを通して、地上の人間は、地上の人間なりに悩み、苦しみながら、悟りを開いていくという、魂の幸福を得ています。また、高級諸霊も、知識や方法論、説得力、情熱などを、日夜、みずから磨いているわけです。  これが、天国・地獄をも含めた、悪の諸相です。」

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