ダークマター ダークエネルギー

 ダークマターのダーク(dark)は、「暗い」という意味ではなく、「謎の」「未知の」という意味です。これにマター(matter 物質)を付けた言葉です。つまり、「謎の物質」「未知の物質」という意味です。

 現代の宇宙論では、全宇宙に占める質量とエネルギーのうち、陽子や電子などのように認識されている物質は5%にも満たないという。ほかは、直接見ることも感じることもできない物質だといわれており、ダークマター(暗黒物質)24ダークエネルギー(暗黒エネルギー)71.4を占めるという。

 ダークマター(暗黒物質)は宇宙の所々に塊で存在し、見えないのに重力を持つ物質です。

 暗黒物質の存在は、1934年にフリッツ・ツビッキーによって、銀河団中の銀河の軌道速度における欠損質量を説明するために仮定されたものです。
 ツビッキーは、銀河団の全質量をその周縁の銀河の運動に基づいて推定し、その結果を銀河の数および銀河団の全輝度に基づいて推定されたものと比較した。そして、彼は光学的に観測できるよりも400倍もの推定される質量が存在することを発見した。銀河団中の可視的な銀河の重力はそのように高速な軌道に対して小さすぎるので、何らかの外部要因が必要であった。これは質量欠損問題として知られている。これらの結論に基づき、ツビッキーは銀河団を互いに引き寄せる十分な質量や重力を及ぼす目に見えない物質が存在するはずであると推測したのです。

 1970年代後半になると、銀河について詳細な観測が行われるようになり、銀河の回転速度の測定に注目が集まりました。アメリカの女性天文学者であるヴェラ・ルービンが、アンドロメダ銀河(M31星雲)の回転速度の測定を行ったところ、アンドロメダ銀河の中心と縁では、それほど速度が変わらないという結果になりました。しかし、ニュートン力学を基本とした物理学で考えると、遠心力と重力の関係で質量の多い中心部から距離が遠くなるほど速度は遅くなるはず。その計算と反した結果を説明するためには、光学的に観測された質量の10倍の質量が存在するはずだと、彼女は結論づけました。これはアンドロメダ以外のあらゆる銀河にも当てはまる現象だったため、観測不能な未知の物質が大量に存在しているという仮説を発表。再びダークマターに注目が集まるようになりました。

 暗黒物質の存在により、その質量により光が曲げられ、背後にある銀河などの形が歪んで見える重力レンズ効果が起こる。銀河の形の歪みから、重力レンズ効果の度合いを調べ、そこから、暗黒物質の3次元的空間分布を測定することに日米欧の国際研究チームが初めて成功したことが、2007年1月に科学誌『ネイチャー』に発表された。

 科学者たちは、暗黒物質がセンサーに反応しないため、原子よりも小さい素粒子と考えています。暗黒物質は、銀河の中心に位置するブラックホールの周囲にある ハロー(周縁部)として検出することができる。星々が持つ重力以上に互いをつなぎ止めることができるのは暗黒物質のおかげであるが、光で検出できないために 物質 ではない。ガンマ線の痕跡がないため、「反物質」ではない? 重力レンズが存在しないため、「ブラックホール」ではない。しかし、これがなければ銀河の星々はバラバラに散ってしまうのである。

 もし、何もない空間がヌル処理であるなら、無とは言えない。そして、もし宇宙が膨張しているのならば、それは新しい宇宙が常に追加され続けているということである。何も放出せずに吸収するのは、暗黒エネルギーと呼ばれるものが持つ負の効果と同じである。仮に新たな宇宙が安定した割合で追加されるとすれば、その効果が時間経過によって変化することはない。そのため、暗黒エネルギーは、宇宙の絶え間ない創造を起因とする。  

 このモデルはブラックホールの周囲を照らす暗黒物質にも適用できる。そこに ハロー(周縁部)が出現するのは、ブラックホールに接近し過ぎた光がそこに引き込まれ、離れた光ならばその軌道から逃れることができるためである。量子的実在論の予測では、暗黒物質と暗黒エネルギーを説明できる粒子が発見されることはない。

 アメリカの ベル研究所のウイットマンらは、2005年、これまで特に質量の集中が知られていない天球上の三方向(うお座、エリダヌス座、コップ座方向)を観測し、暗黒物質の量を推定したという。

 一方、国立天文台や東大などの研究チームは、アメリカ・ハワイにある「すばる望遠鏡」を使って、暗黒物質(ダークマター)の宇宙における分布地図を作製、公開しました。発表によると、カニ座周辺の満月10個分ほどの範囲に、太陽の100兆倍以上の質量がある暗黒物質の固まりが9つあることが判明。これまでの理論で予測されていたよりも多かったとのことです。

 近年、実験や観測の技術が飛躍的に進歩し、宇宙の姿をかつてない精度で描けるようになってきました。

 スイスのジュネーブで行われている大型ハドロン衝突型加速器(LHC)の実験では、水素原子の陽子同士を磁力の力で加速させて、光速に近いスピードで衝突させると、陽子から無数の素粒子が飛び散ります。その素粒子がある一定の割合でセンサーから反応しなくなり、この世から消えます。最初は物質(素粒子)が突然消えることに戸惑い、観測ミスとか、センサー異常とか思ったようです。しかし、何度も同じ実験を行うと、必ずある一定の確率で素粒子がセンサーから反応しなくなって消えます。そこで、リサ・ランドール博士は、素粒子は消えたのではなく、別世界に移動したためにセンサーから反応しなくなったと考えました。これがきっかけで、5次元理論と呼ばれる新しい概念が生まれました。考え方の概念ではなく、既に別世界(異次元世界)が存在していることを数学を駆使して証明しています。後は、適切な実験で立証を行えばよいので、そのために、2008年9月からスイスのジュネーブにある大型ハドロン衝突型加速器で実験を繰り返しています。異次元世界に存在する非物質やエネルギーこそ、暗黒物質の正体であり、ダークエネルギーの正体なのです。

 素粒子について、『超弦理論』の提唱者の一人であるニューヨーク市立大学のカク・ミチオ教授は、この暗黒物質について、「目に見えない平行世界に存在する質量を感じているのでは」と、平行世界の存在の可能性に触れた。我々の住むこの世界と干渉できるとしたら、それは重力しかないからだと言う。

 ダークマター には、宇宙を均衡させる役割がある。星々が持つ重力以上に互いをつなぎ止めることができる。これがなければ、銀河の星々はバラバラに散ってしまうからです。

 なお、ダークマターは、宇宙のなかでは均一ではない。密度が濃かったり、薄かったりする部分があるという。この太陽系があるところの銀河系のなかにある ダークマター の濃度は濃いとされております。

 

 ダークエネルギー(暗黒エネルギー)は、宇宙全体に均等に分布していて、宇宙が膨張するスピードをどんどん速くする力を持っています。

 一種の反重力であり、重力に逆らって作用しているように思われる。理論上予測されていなかったものでした。そのため、謎のエネルギーとして、『暗黒エネルギー(ダークエネルギー)』と命名されたようです。宇宙の膨張を加速させている原動力で、物質を押し離す効果を持つ。このエネルギーの影響で、宇宙の拡大が加速しているとされている。

 ダークエネルギーの登場は比較的最近の1998年。遠くの超新星(ある星の一生の最後に起きる爆発現象)が、これまでの理論で予想される速度よりも速く遠ざかっていることが発見されました。つまり、宇宙が膨張する速度はどんどん速くなっていることがわかったのです。かつての宇宙論では、宇宙全体の重力でブレーキがかかり、膨張は遅くなっていくと思われていたため、重力に逆らって加速しながら宇宙を押し広げる未知の力は、ダークエネルギーと名づけられました。

 宇宙で光を出さないダークマターが、5次元世界と関係しているのではないかといわれています。5次元世界は重力しか通さないので、光を通さない。素粒子実験で、衝突後に素粒子が消えることがあるそうですが、5次元世界へ行ってしまったと考えられる。

 ダークエネルギーについてですが、こちらは5次元世界に存在している安定したエネルギーのようです。重力エネルギーの素であるヒッグス粒子 (重力粒子)も、5次元世界で安定して存在するので、ダークエネルギーの一部とされております。

 これらについて、96%の非物質と呼ばれるもので構成された世界ですが、宇宙空間ではセンサーが反応しないため、観測できないのです。宇宙空間にある「物質」と呼ばれるものはわずか4%のみであり、残りの96%について、センサーに反応しない何かがあると言う。科学者たちは、これをダークマターやダークエネルギーと呼んでいます。

 残りの96%について、3次元的にセンサーに反応しないだけであって、仮に5次元的なセンサーがあるとすると反応するであろうと考えられる。

 

 ところで、思うには、私たちの宇宙にあるブラックホールの中にも別の宇宙が存在している可能性があり、この世に無数の宇宙があったとしても不思議ではないのです。これらは量子レベルで干渉しあっているため、何かしらの影響でその境目が不安定になることもあり得ると言う。

 ただ、ビッグバンによって生まれるはずの宇宙の量に比べて、実際に存在する宇宙の総量が少なすぎるため、惑星の内部に別の宇宙が存在しているのではないかとする説があります。

 ダークマターの正体は、未発見の素粒子であるという説や、宇宙が高温かつ高密度だった宇宙初期に形成されたかもしれない、ブラックホール(原始ブラックホール)であるという説などが候補として挙げられている。原始ブラックホールの可能性については、スティーヴン・ホーキング博士が1970年代に提案したものだが、これまで月質量(太陽の質量の約2700万分の1)より軽い原始ブラックホールがダークマターである可能性は、従来の観測からは否定されていなかったという。そこで、研究チームは、原始ブラックホールがダークマターである可能性についての調査を実施。天の川銀河とアンドロメダ銀河の間にあるはずの大量のダークマターが、もし原始ブラックホールであれば、重力レンズ(重力マイクロレンズ)効果で10分から数時間程度の短い時間で、星の明るさの変化が生じることが期待されることから、約9000万個の星の同時測定を実施したという。得られたアンドロメダ銀河の画像を詳細に解析した結果、約1万5000個の時間変動する星を発見。そのうちの1個が重力マイクロレンズ候補星であることを確認したという。しかし、ダークマターが原始ブラックホールである場合は1000個程度の重力レンズ効果を発見できるという予言に対して1個だけであるため、本当の原始ブラックホールであったとしても、原始ブラックホールの総量はダークマターの約0.1%程度の質量にしか寄与していないという計算結果となったとする。

ダークマターの正体 原始ブラックホールではない可能性

 

一般相対理論にみる悟りの極致

 アイザック・ニュートンの万有引力の法則は、何世紀にもわたって地球上の重力を説明する有効な理論とされてきた。だが、惑星のような大きな天体同士の相互作用には説明がつかなかった。そうした中、1916年に発表されたアルベルト・アインシュタインの「一般相対性理論」によって、空間と時間から成る「時空」は物質の存在によって歪むため、重力は大きなスケールでも作用するという考え方が提唱された。相対性理論に基づくと、水星の公転軌道のわずかな変化、といった万有引力では説明のつかなかった現象も説明できる。

 暗黒物質暗黒エネルギーの存在により、アインシュタインの提唱した重力レンズ効果が、太陽系内と同じように、地球から何十億光年も離れた銀河でも作用していると思われる。ある種の天体は、地球から計測できる質量よりも大きな質量があるとしか思えない動きを見せている。一般相対性理論に基づくと、その計測不可能な質量にあたるのが暗黒物質ということになるのだが。しかし、これまで、銀河スケールでも一般相対性理論を証明できるかどうかは結論が出ていなかった。アメリカ、ニュージャージー州プリンストン大学の天体物理学者ライナベル・レイエスのチームは、7万個以上の明るい楕円銀河からのデータを調べた。その結果、地球から最大35億光年離れた複数の銀河が、一般相対性理論の予測どおりに銀河団を形成していることがわかった。

 アインシュタインが提唱した「一般相対性理論」をもとにすれば、太陽を公転する惑星の動きをモデル化できるだけでなく、無数の銀河の相互作用も説明できることが証明された。この研究成果によって、目に見えない「暗黒物質」や正体不明の「暗黒エネルギー」が、物理学者の想像の産物ではなかったことが示されました。

 暗黒物質のさらなる解明によって、近い将来、科学と宗教が密接な関係をもつ時代が来る可能性があります。

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