精神障害の治療

 厚生労働省は、2007年に日本人に多い「がん」「急性心筋梗塞」「脳卒中」「糖尿病」を『4大疾病』に指定しました。ところが、2008年の調査で、糖尿病237万人、がん152万人などに対し、精神疾患で通院や入院をしている人が323万人に上ることがわかったため、2011年7月に「精神疾患」を加えて『5大疾病』としました。

 うつ や認知症など「心の病」に苦しむ人が、医療機関にかかっている人だけで、がんの2倍以上いる。また、自殺者は近年年間3万人を超えているが、多くは何らかの精神疾患を抱えているとされる。

 

精神疾患の治療

 精神疾患に対する治療法の多くは、身体的な治療法と精神療法(心理療法)のいずれかに分類できます。身体的な治療法には薬物療法と電気けいれん療法があります。

治療方法 詳しく

薬物療法

 現代は有効性の高い向精神薬が多数あり、精神科医や他科の医師に広く使用されています。向精神薬は、主に治療対象となる疾患に従って分類されます。たとえば、うつ病の治療に用いられるものを抗うつ薬といいます。

 クロルプロマジン、ハロペリドール、チオチキセンなどの抗精神病薬は、統合失調症などの精神病性障害の治療に役立ちます。リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、ジプラシドン、アリピプラゾールといった新世代の抗精神病薬(一般に非定型抗精神病薬と呼ばれる)は、現在主たる治療薬として広く利用されています。既存の抗精神病薬や非定型抗精神病薬が効かない患者には、クロザピンの使用が増えています。

 フルオキセチン、セルトラリン、シタロプラムなどの選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)は最新の抗うつ薬で、最も広く使用されています。

 他の種類の抗うつ薬には、ベンラファキシン、デュロキセチンなどのセロトニン・ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)再取込み阻害薬(SNRI)、およびブプロピオンなどのノルエピネフリン・ドーパミン再取込み阻害薬があります。

 リチウム、カルバマゼピン、バルプロ酸などの気分安定薬は、躁うつ病(双極性障害)の治療に用いられています。

 SSRI、抗不安薬(クロナゼパム、ロラゼパム、ジアゼパムなど)、および抗うつ薬は、パニック障害や恐怖症などの不安障害の治療薬として使用されています。

薬物療法 詳しく

電気けいれん療法

 電気けいれん療法は、電極を頭部に当て、患者を麻酔状態にしている間に、脳に電気的刺激を与えて軽い発作を起こさせる治療です。これは重度のうつ病に効果的な治療法であることが一貫して証明されています。電気けいれん療法を受けた人の多くが一時的に記憶を失います。一般的には、正しく為された電気けいれん療法は安全であり、一過性の記憶障害以外の合併症を引き起こすことはあまりありません。最近は、麻酔薬や筋弛緩薬が使用されるようになり、患者の骨折などのリスクが低下しています。反復経頭蓋磁気刺激法や迷走神経刺激法など、その他の脳刺激療法も研究が進められていて、薬物療法や精神療法が効果のない重度のうつ病患者に役立つ可能性があります。

精神療法

 精神療法(心理療法)の分野は、近年格段の進歩を遂げました。精神療法は、ときに「対話療法」とも呼ばれ、人は自身の中に苦しみを癒す力をもち、その治癒力は精神療法家(サイコセラピスト)との信頼や支援関係を通じてさらに促進される、という点に基づいています。精神療法家は親身で受容的な雰囲気をつくり出すことにより、患者が直面している問題に患者自身が気づき、対処法を自分で考え、実行出来るよう手助けします。精神療法を通じて得られる感情の認識と洞察は、しばしば患者の態度や行動に変化をもたらし、以前より安定した生活を送れるようになります。

 精神療法はさまざまな状態に適応があります。精神疾患がない人でも、就職先が見つからない、大切な人との死別、家族が慢性の病気に侵されているといった問題に対処するときには、精神療法が役立つことがあります。グループ精神療法、家族療法なども広く行われています。

 精神医療の専門家の大半が、支持的精神療法、精神分析、精神力動的精神療法、認知療法、行動療法、対人関係療法という6種類の心理療法のいずれかを行っています。 

 支持的精神療法は最もよく利用されていますが、治療の成否は、患者と精神療法家間の理解に満ちた協力的な関係にかかっています。患者は自己の感情を表現するよう促され、精神療法家は問題が解決するように援助します。支持療法の一種である問題解決に焦点を置いた精神療法は、かかりつけ医によって効果的に行える場合があります。

 精神分析は精神療法の中で最も古い方法の一つで、20世紀初頭にジークムント・フロイトが開発したものです。患者は週に4~5回、精神療法家のオフィスに置かれた寝いすに横たわり、心に浮かぶことはすべて話すようにします。これは自由連想法と呼ばれます。過去のかかわりのパターンが、現在どのように繰り返されているかを理解することに焦点が絞られます。ここでは患者と精神療法家の関係が重要な要素となります。過去が現在にもたらしている影響を理解することが、人間関係や職場環境に適応し、役割を果たしていく新たな方法を見つけ出す助けとなります。

 精神力動的心理療法は、精神分析と同様に、現在の思考、感情、行動における無意識のパターンを認識することに重点を置いています。ただし、患者は寝いすに横たわるのではなく、通常はいすに座り、治療も週に1~3回です。また、患者と精神療法家との関係には、精神分析ほどの重点はおかれていません。

 認知療法は、患者が自分の「捉え方のかたより」を認識し、その「捉え方」が自分の人生における問題にどのように結びついているかを理解できるように導くものです。「人の感じ方やふるまいは、経験をどう捉えるかによって決まる」という考えが前提となっています。自分の根本にある信念や思いこみを認識することで、自分が経験したことについてそれまでと違った「捉え方」ができるようになり、症状が緩和され、行動、感情に改善がもたらされます。

 行動療法は認知療法と関連性のある治療法です。行動療法は学習理論を基礎とし、異常な行動は誤った学習から生じるものとみなします。行動療法では適応行動を学習している間に、それまでの不適応行動の習慣を消すことが出来るように考えられたさまざまな介入を行います。曝露療法は、しばしば恐怖症の治療に利用されるもので、行動療法の1つです。

 これら2つを組み合わせた認知行動療法が多く用いられています。

認知行動療法

 対人関係療法は、当初はうつ病に対する短期精神療法として考案されたもので、うつ病患者の対人関係の質を改善することを企図されました。消えない深い悲しみ、自分の期待と異なる役割につくことで生じる葛藤(たとえば専業主婦になることを期待した結婚で、一家の主要な稼ぎ手の役割も果たす必要があると判明したときなど)、社会的役割の転換(第一線で働いていた人が定年退職するなど)、他者とのコミュニケーション上の支障に関する問題を重点的に扱います。精神療法家は患者に対し、社会的な孤立を克服し、他者に対するいつものふるまいを改めるなど、対人関係の改善を図るように指導します。

 

 現代医学は基本的に唯物論であり、心の本体である「魂」や「霊」のことがわからないので、精神疾患の原因究明や治療も十分にできていない。

 精神的な病の正体は、「霊的影響」がほとんどです。ですから、治療には宗教知識が必要なのですが、現代の西洋医学は唯物論なので、お医者さんに「見えるはずのないものが見える、聞こえる」と訴えても信じてもらえず、「脳の機能が故障した」と診断されてしまうのです。

 治療法は、悪い霊を引き寄せないことです。基本的には、「似た者同士が引き寄せ合う」ので、怒りや妬み、グチ、不平不満、被害妄想、他人のせいにする心、恨み心、自分なんて・・・という自己卑下など、マイナスの思いをを出さないこと。悪霊が離れると、ドンヨリした重苦しさが一気に取り去られ、雨上がりの後のような非常に清々しいさわやかな明るい気持ちになれます。この感覚を一度味わっておくことが、心の統御を続けていくうえで大切だと思います。

 現代西洋医学は、近代科学の一分野として発展してきましたが、その本質は唯物医学です。西洋医学では、心を脳の産物ととらえ、心が脳(肉体)に影響を与えることを認めようとしません。「心(意識)と肉体(脳)の相互関係」を否定します。

 20世紀の半ばに登場した心身医学は、「心と肉体」「意識と脳」の相互関連性を主張し、それまでの唯物医学に異議を唱えることになりました。1980年代には「精神神経免疫学(PNI)」が誕生し、心(ストレス)と肉体の密接な関係とそのメカニズムを医学的に証明するようになりました。これによって、「心身医学」は大きな発展を遂げました。

 中国「気の医学」は、気エネルギーを媒介とする心身関係を主張しています。気の医学の心身関係は、「霊的エネルギー循環システム」における「霊の心」と「肉体」を取り出して、その関係を論じたものです。気の医学の心身関係は、霊的エネルギー循環システムの一部分と言えます。

 現代の心身医学は、「心(意識)と肉体(脳)」の関連性を明らかにしたものの、肝心な「心とは何か」が分かっていません。

心とは何か

 心をめぐっては、大きく2つの見解に分かれます。唯物的な「脳の産物説」と「脳からの分離説」です。後者は、従来の宗教が主張してきた霊魂説に近い立場です。科学では到底受け入れ難いものですが、一部の科学者の中からは霊魂説を示唆するような見解が示されるようになっています。

 心身医学では、「心をどのように考えるのか」について、自らの立場を明確にせざるをえない状況が差し迫っています。現代医学の一分野として隷属し続けるのか、あるいは、現代医学の唯物性をきっぱりと否定し、宗教や哲学との協調路線を取りつつ、新たな医学の分野を確立していくかの分岐点に立たされています。

 

「肉体管理」をしっかり行う

 肉体は心の影響を受けると同時に、心の健康状態にも影響を与えます。肉体が疲れ過ぎていたり痛みがあれば、否応なく心は暗くなってしまいます。運動不足が続くと気分が冴えなくなります。心と肉体は、こうした相互関係を持っています。これは、心の病気に対して、肉体次元からのアプローチがそれなりの効果を発揮するということを意味します。

 その肉体管理ですが、具体的には「正しい食生活」「適度な運動」「十分な休養」ということになります。これらを実践することは、心の病気治療としても欠かせません。

 

まずは休息を与える

 心の病気では、どのようなケースでも、発病後一定期間は「徹底した休息」を与えることが必要です。休息によって、心に少しずつエネルギーが蓄えられるようになり、「心の自然治癒力」が働くようになります。心の病気にとって、休息はとても効果的な治療法なのです。

 

食生活の改善

 心の病気の原因の一つとして無視できないのが、現代人の「間違った食事」による影響です。間違った食事は、時にドラッグやアルコール並みの強い影響を心に与えます。特に、「低血糖症」「脳アレルギー」「必須栄養素の欠乏」「有害金属の脳内蓄積」は、精神障害と同じような症状を引き起こします。

 これまで、精神障害の治療では食事という物質次元の要因をほとんど無視してきました。そのため、食事改善や栄養療法で治る症状に対して、的外れな薬物治療を行ってきた可能性があります。

食事・栄養素と心の病気の関係

精神科の助けを借りる

 精神医療は、大きく分けて薬物療法と心理療法がある。心理療法は患者と向き合って長時間ケアしていくため医師の負担が大きい。手軽な薬物療法に頼りがちになる。しかし、人間の「心」を薬だけで治そうとするところに無理がある

 昔は医療が発達していなかったから、心の病気を治すのは主として宗教の役目であった。宗教的に見れば、心の病気のほとんどは「悪霊」という霊存在の作用によって起きるのです。

 現代は薬が発達しているが、薬で心の作用を麻痺させ、症状を治めたとしても、根本的にその人の心が変わらなければ、また悪霊はやってくる。かくして「おなじみさん」が憑いて、入退院を繰り返すことになるのです。

参考

 統合失調症で精神科に入院している患者の4割が、3種類以上の抗精神病薬を処方されているという。抗精神病薬には幻覚や妄想などの症状を抑えたり、不安や興奮を鎮める作用がある。しかし、3種類以上の投薬で、むしろ副作用や死亡リスクが上昇するという研究結果もある。薬を使うと症状が抑えられますが、同時に思考能力も抑えられることがあります。

 なぜ、患者が「薬漬け」になっているのでしょうか。薬漬けの治療が行われている原因として挙げられているのが、治療に当たる人員不足である。重度の統合失調症の患者が幻覚を訴えたり、暴れたりした場合、現在の医療では症状を抑えることしかできない。もはや、現代の医学ではなすすべがないという事情が、薬漬けの現状に表れているようです。

薬物療法は対症療法にすぎません。異常な症状を抑えたり解消させることを目的としたものであって、病気そのものを治療することはできません。

 日本の精神医療は投薬治療が主である。即効性はあるが、使い続けると止めにくくなる ベンゾジアゼピン系睡眠薬 の使用量は世界一で、アメリカの6倍になる。

 不眠症やうつ状態になる原因の多くは、仕事や対人関係の悩みなどストレスを解消できないところにある。現代の精神医療では悩みを解消できず、睡眠薬や精神安定剤で症状を抑えるにとどまっている。こうしたストレス・マネジメントは、一人ひとりの心のコントロールに関る分野であり、本来は宗教の守備範囲である。

 また、幻覚や幻聴を訴える患者についても、脳機能に障害があると受け止められ、精神薬によって症状の沈静化を目指すケースが多い。しかし、霊が見えたり、その声が聞こえたりすることが実際にあるのです。

参考

 大川隆法総裁は、「病気と判定されているなかにも、いわゆる『霊障』に当たるものがかなりあることも現実です。これは、エクソシスト(悪魔祓い師)のところへ行くか、病院へ行くかの違いです」「やはり、真実をきっちり知っておいて、光のパワーによって治していくことも、同時にやらなければいけないと思います」と指摘している。

悪霊に悩まされている患者に薬物投与しても、根本的な解決にはならない

 統合失調症を自己努力によって克服できる患者はきわめて一部に限られます。実際にはほとんど不可能と言ってもよいほどです。したがって、現実の統合失調症の治療は、現代医学の薬物療法に頼らざるをえなくなります。

 薬物治療は対症療法として症状を軽減したりコントロールすることができますが、病気そのものを治すことはできません。軽度の段階で薬物療法が成功して回復にまでこぎ着けるのは、現時点では2~3割くらいだと言われます。ほかの7~8割の患者は、症状は治まっても全体的な異常さは依然として残ることになります。「生気が失われる」「無気力になる」「正常な対人関係を保てなくなる」などの状態が続くことになります。

 治療薬で、潜在意識 → 顕在意識の流れを遮断(制限)することによって、憑依の最悪状況は避けられるようになりますが、それは「霊的エネルギー」の正常な流れ自体も遮断することになります。したがって、治療薬によって統合失調症の異常をコントロールしているかぎり、なかなか本来の状態には戻れないということになります。

 つまり、薬物で外見上の症状は抑えていても、「潜在意識レベル」では依然として外部から霊の侵入を受け続けていることもあるのです。時には、「心の自然治癒力」が十分に働かないために、霊が患者に憑依したままの状態が続くこともあります。こうなると病気の完全治癒からは程遠いことになります。

 患者が精神薬に依存しているのと同時に、精神医療自体が「薬物依存」している事態そのものが問題の根源にある。苦しむ人を救うために、医療は霊的な世界に心を開き、宗教と手を携える必要があります。

参考

 また、薬物中毒となった人をどのように更生させるかは、精神科の大きなテーマでもあるが、これには脳科学的なアプローチだけでは不十分で、この問題を解決するにも、霊的な視点からの分析が不可欠です。

「薬物依存」の精神医療

霊的な視点を取り入れた治療

 患者が幻覚を訴えたとしても、霊的知識にもとづいて対応するという。心療内科がスピリチュアリティ(霊性)を前提として治療する。

 統合失調症の背景に霊的な作用がある以上、霊的な面からもアプローチしなければ、効果的な治療は難しい。患者が心身共に健康を取り戻すためには、医学と宗教とがともに手を取り合っていくべきでしょう。

 霊的な現象を扱う宗教と精神医学とが協力することで、もっと多くの人々を救うことができるようになる。

病気は「生体エネルギーの不足」と「生体エネルギーの循環異常」から発生

心の治療の複雑さ・難しさ

 心の病気の原因は多次元にわたることが多い。心の病気の治療には、さまざまな次元の治療手段を繰り出して、トータル的に対処していかなければなりません。治療は「休息」「薬物療法」「心理学的療法」に「スピリチュアル・ヒーリング」などを並行して進めなければなりません。

 心の病気とは、霊的エネルギー不足から生じる「心全体の不調和・アンバランス」のことです。心の深刻な「霊的エネルギー枯渇状態」のことです。したがって、心の病気に対する治療法は、不足している「心のエネルギー」を外部から直接補充するということになります。スピリチュアル・ヒーリングや心身医学・精神医学での心理療法は、そうしたエネルギー補充の方法です。

 ただし、心理療法のような水平レベルでのアプローチ(治療法)では、「心」の表面だけを改善し、症状を緩和する単なる対症療法にとどまり、それほど効果を上げることはできません。上位の「霊」からのアプローチでないかぎり、心の正常化を図ることはできません。ここに心の治療の複雑さ、難しさがあります。 

 ところで、急増する「うつ」への簡単なアドバイスを挙げると、「自分をもっとほめてみよう」ということ。うつ の原因の一つは、自分に対する他人の評価が低いことにあります。

 大川隆法総裁は、著書『希望の法』で以下のように述べておられます。

「人があまりほめてくれないのならば、たまには自分で自分をほめたほうがいいのです。『頑張れ、頑張れ。いいぞ、いいぞ。いいところがあるぞ』という気持ちで、少しはほめたいものです。これは、うつ社会においては特に大事です。マイナスのイメージが強いときは、プラスの思いを出して、調整し、バランスをとることです」

 たまに落ち込んだときなど、自分の守護霊になったつもりで自分をほめる言葉を口にしたり、日記に書いて見返したりすると、ある意味で、他の誰の言葉よりも励まされ、不思議と心が楽になる。積極的な言葉が持つ言霊(ことだま)の力をぜひ試してみていただきたい。

参考

自分の心を振り返る「反省」「感謝」は病気を好転させる力がある

医療と宗教との融合こそ、現代人の心の病を減らす道です

 現代の医師、特に精神科の医師ほど宗教を学ぶ必要があります。宗教的真理を学ぶことで、心に及ぼす霊的作用を知り、患者の心を正すように導くことと、薬の助けを両立することによって精神病や心の病を劇的に改善することができるのです。その証明としては、各種の宗教、特に幸福の科学において、「心の病」が治る事例が数えきれないほど起きていることを見れば分かります。

 そして、心の病に陥った人や家族も、いたずらに宗教を忌避するのではなく、正しき宗教的真理を学び実践することが、薬物依存や廃人に至る悲劇から脱却し、幸福な人生へと転換する道であることを知るべきでしょう。

  精神疾患について さらに →

   統合失調症   うつ病   高所恐怖症や閉所恐怖症   強迫性障害  

   解離性健忘症   解離性同一障害   心気症 

 

スピリチュアル・ヒーリング

 心の病気の予防は、「心(顕在意識)を霊主肉従状態にするための努力」と「ストレス対策(ストレスをつくらないようにすること)」が中心となります。また、いったん心の病気が発症してからの治療は、「エネルギーの補充」がその本質となります。

 エネルギーの枯渇とストレスの形成は、その原因をたどると患者本人の「霊的未熟性」と「性格的要因」に行き着きます。

 心の病気に対して「霊的エネルギー」の補充は有効な治療法となります。「心の自然治癒力」の働きを強化・促進します。スピリチュアル・ヒーリングは、霊的エネルギーを補充するための最高の手段です。患者の「霊」を充電し、「霊の心(霊的意識)」を活性化することができる唯一の方法です。

 参考・引用 http://spiritualhealing-volunteer.jp/healing/spiritual/index.html

 しかし、それが効果を発揮するかどうかは、患者サイドのエネルギーの受け入れ条件によって決まります。

 心の病気の治療は、患者本人が自らの「霊的未熟性」を克服するレベルにまで至らなければなりません。すなわち、霊的成長に向けての自己努力が、心の病気の根本治療となります。その「自己努力」とは、物質中心的な考え方を「霊中心の考え方」に改め、自己中心的な生き方を「利他的な生き方」にすることです。そして、「利他愛の実践・純粋な奉仕活動」を日常生活の中で心がけるということです。

 

自分自身が心を変える努力をする

 心の病気の再発を防ぐためには、患者本人が心を強くし、ストレスをつくらないようにしなければなりません。そのためには、これまでの考え方や判断の仕方を変えることが必要となります。「考え方を変える」という方向に向けての治療は、心理療法の一つである認知療法などでも行われています。

 しかし、考え方を根本的に変化させるためには、「人生観・価値観」というレベルにまで掘り下げてアプローチしなければなりません。そうでないかぎり「心の変革」は徹底できません。信仰をするようになって、それまでの心の病を克服したという話を耳にしますが、それは、信仰によって、より積極的に自分の考え方を変えることができるようになるからです。

 心の病気の治療は、患者が「自分の努力で自分の心の持ち方・考え方を変える」という段階にまで行き着かなければ完治しません。本人自身がこれまでの考え方を変えて、自分で心の病気を治そうと決心しなければ、外部からどのような対策を講じても根本的には解決しないのです。

 本来、カウンセリングはそれをさせるためにあるのです。カウンセリングによって本人の心に「自己努力の決意」が目覚めたとき、初めて本質的な心の病気の治療がスタートします。また、利他愛の実践・無償の奉仕活動は、心を深いところから変化させ、純粋な喜びをもたらします。「利他愛の実践」は心の病気の最高の治療法なのです。

 

あの世とこの世について最小限の悟りを持つ

 まずは、あの世とこの世の関係についての最小限の悟りは持っていただかないと、パワーが効きにくい。

 最小限の悟りとは、「人間は、あの世とこの世を転生輪廻する存在である。今は肉体に宿って住んでいるけれど、あの世から来てあの世に還っていく存在であり、霊体のほうが本体なのだ」という考え方。これは、基本的に一つ持っていただきたいということです。

 

病気を、自分に与えられた課題としてとらえる

 その考えからいくと、次は、この世の中では人間関係や事業や仕事など、いろんなことで、具合の悪いことがたくさん出てくることはあります。けれども、「この世の中というのは、全部が学校の学びになっている面があるのだ」ということを知らなければなりません。

 この、自分が与えられた課題に対して、「先生、宿題多すぎるよ」と怒る生徒みたいな気持ちにならないで、「自分に与えられた問題に対して、自分なりの一つの答えを見つけてみようか」と思っていただきたいのです。

 ですから、これは公案(禅の修行などで考える問題)だと思って、「なぜ自分がこういう病気になったのか」を考えてみることです。今世に原因があるか、そうでなければ今世より前に原因があることもありますので、「こうなる原因がどこにあったのか」ということについて、考えられることは考え、反省できるものがあったら反省することが大事です。

 

病気であっても心の針をプラスの方向に向ける努力を

 もう一つは、病人にとっては難しいことではあるけれども、「現在ただいま、病気をしている自分でありながら、それでも世の中のために、あるいは利他のために、何か少しでもお役に立てるようなことはできないか」ということに、心の思いをできるだけ集中していってほしいのです。創造的な方向、生産的な方向に、心の針を向けていく努力をしていただきたいのです。

 病気のほうにフォーカス(集中)していくと、悪くなって死んでいく図しか見えなくなってくる。そして、悲劇のヒーローやヒロインになって、周りの人も一生懸命、泣かせるような、自分の映画みたいなものをつくってしまうところがあるのです。

 そんな中から立ち直って、自分が周りにお返ししていけたり、自分自身も全然違った自分に変わっていくというストーリーを、心の中で何度も何度も組み立てていくイメージ訓練をしていただきたいのです。

 

道を開くものは精進と信仰心です

 まず、自分としてやれるだけの精進は、やらなければなりません。

 自分の心を クラッと変えて、「このままでは自分は駄目だ。病気を治さなければいけない。そのためには精進と信仰が必要だ」と思うことです。

 天上界には、「治癒の力、治癒の光」というものがあります。そういう光は、信仰心を持って素直に精進している人のところに降り注ぐのです。

 

信仰心を持つ人は精神疾患の治療に効果が現れやすい

 ハーバード大学医学部付属マクリーン病院(精神科専門病院)の研究者たちは、1年間159人の患者の追跡調査を行った。まず、被験者の治療効果予測と信仰レベルを5段階に分け、治療の始めと終わりに、うつ、幸福感、自傷行為のレベルを測定した。

 その結果、信仰心がないか、わずかしかない患者は、信仰心が高い患者に比べて治療に反応しない人が2倍であった。また、30パーセント以上の人が特定の宗教に所属していないと答えたが、信仰心が中程度以上の場合には高い治療効果が見られた。

 これらの結果は、特定の宗教に関係なく、信仰心が中程度のレベルから高いレベルにある人たちには、信仰心がない人たちに比べて、精神疾患の治療効果に短期間で著しい改善が見られた と、学会誌「情動障害ジャーナル」に発表されました。

 マクリーン病院の臨床医のデビッド・ロスマリン氏は、「この研究結果は、治療とスピリチュアルな生活が密接な関係にあることがわかる重要なものだ。多くの人々の役に立つようこの研究がもっと大きなものとなることを望む」と語っておられます。

 宗教には病気を治す力があり、医学と協調・協力できる方向性があることを、この研究結果は示したと言えます。

 大川隆法総裁は、『心と体のほんとうの関係。』で以下のように説かれました。

「天上界には、『治癒の力、治癒の光』というものがあります。そういう光は、信仰心を持って素直に精進している人のところに降り注ぐのです」

 今回、精神医学において信仰の力が証明されたわけだが、同書で次のようにも語られた。

「『信じる力』を持つと、全細胞に善念が満ち、免疫力が上がる」その結果、「初期のガンぐらいであれば、すぐに治ってしまいます」

参考

 信仰心を持つことは、人間の自然治癒力を飛躍的に高める。神仏やあの世の存在を信じることは、死への恐怖を和らげ、あの世への旅立ちに向けて、残りの人生を積極的に生き切る勇気を与えてくれる。そして、反省や感謝、他の人への愛の大切さを教える信仰は、病気という「体の設計図」を書き換える、積極的な思いの源泉となる。

 

信仰を持ち、「お任せする気持ち」になると体も楽に

 そして、幸福の科学の教えを多少勉強されて、エル・カンターレ信仰をきちんと持つことができたら、「治らない病気はない」ということが分かってくるようになります。

 この世に生きていて、考え方の軸足がこの世にあると、全部が不安になり、全部が不確かなものに見えるのですが、エル・カンターレ信仰のところをキチッとお持ちだったら、最後は、全部お任せできる気持ちになってくるのです。そうすると、急に体が楽になってくると思います。

 

周りからのサポート

 心の病気は、普通は自然治癒力の働きによって時間の経過とともに少しずつ回復していきます。回復過程では、周りの人々の上手な対応やサポートがきわめて大切です。上手な対応とは、親切や優しさだけで接しないということ。温かく見守り支えてあげることは必要ですが、安易な親切や優しさでは病気は治せません。それは、相手のさらなる依存心を引き出し、期待と甘えばかりをふくらませることになります。その結果、周りの人々も疲れ果て、共倒れするといった事態を招きかねません。患者は不満や不安・苦しさを延々と訴えるのが普通です。その声に周りが巻き込まれ、振り回されるなら、支えるどころか、いっそう事態を悪化させることになってしまいます。

 周りの人々の正しい対応とは、どこまでも「本人の自立」という方向に向けたものでなければなりません。親切や優しさだけで接すれば患者は喜びますし、付き合う方としてもその時は楽ですが、それでは患者の「自己努力」を促すことはできません。我儘や不満を増幅させ、現実逃避に手を貸すことになってしまいます。

 体が不自由であったり、心が疲れている人に対し、周囲の人々は時として「慈悲魔」となって世話をやき過ぎ、本人が「思いの力」を発揮して力強く生きようとする芽を摘んでしまう場合もある(もちろん、必要な時に手を差し伸べることは大事だが)。

 その意味でも、本人や家族、そして周囲の人々が霊的人生観を学び、共に魂を磨くことが欠かせない。

 病気の7、8割は「心」に原因があります。生活習慣病も、元をたどれば心のバランスの乱れが原因であることが多いものです。その意味で、病気は本人の人生課題を解決する機会にもなり得るのです。

 病気を治す手伝いをしてくれる医療者に感謝しつつ、基本的には「自分で病気を治そう」という心構えを大切にしたいものです。

 もう一つ知っておかなければならないことは、心の病気はいったん回復したかに見えても、同様のストレスやトラブルによって、簡単に再発する可能性が高いということです。一度心に傷をつくってしまうと、それが癒えても、少しの圧力で容易に破れてしまうのです。そこで、患者自身が防衛力をつける必要性が出てきます。再発を防ぐためには、「本人の心が変わる」ということが重要な要素となのです。