地震について さらに考察
地下での爆発で地震が起こることが本質
地下深くにマグマ溜りがあります。その地下内部の水は、温度と圧力によって固体とも液体とも気体ともなる物質です。高温、高圧の地下では、熱水状態を超えると超臨界水となります。さらに温度が上昇すると、酸素と水素に熱解離します。多量の水素ガスを放出するが、この限界の層を「解離層」と呼びます。そこでの解離度は、温度、圧力、触媒物質の存在によって変化します。温度が高いほど、圧力が低いほど、解離度は高くなります。
マグマが上昇したり ヒビ割れなどによる 圧力の低下、あるいは 周辺温度の上昇によって、解離層は上方に移動します。解離層が急激な上昇をすると、マグマ溜りの内部では、解離した水素ガスと酸素ガスの混合気体(解離水)が蓄積されて、圧力が増大します。解離水の高圧力によって、岩盤に疲労破壊が生じてマイクロクラックが発生します。このとき地震の「前兆現象」が現れます。
この解離反応は熱を奪う反応ですので、マグマ溜りの周辺温度は低下していきます。
2H2O + 熱 ⇒ 2H2 + O2 熱解離反応(吸熱反応)
すぐに爆発が起こるわけではないが、今度は周囲からの熱が移動してきますので、周辺温度は元の温度に戻っていきます。そして、水素の着火温度に達して、「爆鳴気爆発」が起こります。混合気体が超臨界状態の結合水に戻りますが、爆発によって熱が放出されます(「発熱反応」)。
2H2 + O2 ⇒ 2H2O + 熱 爆鳴気爆発(発熱反応)
爆鳴気は元の水に戻ってしまうため、結合して収縮を引き起こします。「爆縮」(Implosion)というものが起きます。この爆鳴気爆発は体積が収縮するもので、ダイナマイトの爆発のようなものではありません。ここでは「引き領域」ができます。
これがきっかけで、爆縮によってマグマ溜まりの平衡が破綻し、周囲の岩盤にひび割れを発生させ、ボイラーが爆発するときのような「平衡破綻型爆発」(Explosion)が起こります。
ここでは震源から離れる方向に動く「押し領域」ができます。
ここでの「爆縮」と「爆発」がほぼ同時に起きている。これが地震の正体です。
震源から離れる方向に動く「押し」と呼ばれる領域と、震源に向かうように動く「引き」と呼ばれる領域が、ほぼ同時に生じているわけです。
この結合反応による圧力減のために、マグマ溜りは潰れます。ガスの体積が減少することによって減圧が起こる。解離層は地震の前の位置まで下がります。
水の熱解離
水が解離する度合いは、一気圧の下では1200℃くらいから始まるそうです。1200℃では解離度は ほぼゼロだが、2800℃になれば10%を超える。マグマの温度が一般に800~1200℃であるのに対し、水が水素と酸素に解離する温度は、常圧時で2000℃以上と言われています。2000℃では、水は一度分解した後に、水素と酸素が再結合して より安定な水素分子と酸素分子になる。ところが、2500℃以上では、再結合によるエネルギーの安定化よりも、熱エネルギーのほうが大きいために、原子状気体のままとなる。
H2O → 2H + O
また、ほとんどの有機化合物は、2000℃以上では二酸化加炭素と水に熱分解すると考えられている。
何らかの別の要因が、圧力の著しい低下、もしくは非常に大きな熱エネルギーの流入などの現象が引き起こすことで、初めて解離反応自体が生じる。
「地球内部の核分裂反応→電磁波放射→岩盤間での反射・増幅→高温化」という現象がマントル上部で起きているとすると、解離反応が誘発される可能性も十分に考えられるわけです。
(参考)プラズマ生成
6000℃以上では、水素分子以外の全ての 原子-原子 間の結合(化学結合)が切れて、原子状気体となる。
原始状の気体となった物質を10万℃以上に加熱していくと、熱エネルギーは原子核と電子間に働く引力を凌駕し、原子核と電子は解離して独立に運動する。このような状態をプラズマ状態という。太陽はプラズマの塊なのです。
水素原子は陽子と電子に解離する。
炭酸カルシウムの熱解離現象
熱解離が起こるのは水だけではない。
高濃度ガスの正体は、生物起源のガスではなくて、以下のような炭酸カルシウムの熱解離現象も考えられます。
CaCO3 + 熱 ⇔ CaO + CO2
炭酸カルシウムは、水よりも早く(低温度で)解離し、その解離現象で炭酸ガスが発生する。
石灰石で出来た大地では、地下水に含まれる炭酸カルシウムから、熱解離で二酸化炭素が発生します。
堆積岩地帯の地下水には炭酸カルシュウムが溶け込んでいて、水の解離反応と同時に炭酸カルシュウムの解離が起こって、二酸化炭素と酸化カルシュウムに解離したのではないだろうか。二酸化炭素も水素も、熱解離現象によって発生したのであると考えているわけです。
カルスト台地の地下で起こる炭酸カルシウムの熱解離は大災害を引き起こす。
炭酸カルシウムは、900℃近い温度によって CaCO3→CO2+CaO となり、二酸化炭素と酸化カルシウムを生成します。CaOは、CaO+H2O→Ca(OH)2 となり、
Ca(OH)2+CO2→CaCO3+H2O
さらに、CaCO3+H2O+CO2 ⇔ Ca(HCO3)2
このように、炭酸カルシウムは、水には溶けないが二酸化炭素を含む水に溶けて炭酸水素カルシウムとなる。炭酸水素カルシウムは、熱により二酸化炭素を発生して炭酸カルシウムの白色固体となる。これが地空で鍾乳洞のできる仕組みです。
カメルーンのニオス湖地震で湖底から噴出した二酸化炭素は、生物起源のものではなく、地震活動そのものによる噴出であった。
炭酸ガス噴出によって羊や牛の家畜に被害が発生することは、セネカ時代から報告されていますが、カルスト台地における大地震の特徴なのではないでしょうか。
ニオス村で家畜や人命に被害があったのは、CaCO3の熱解離によって発生したCO2です。
断層を構成する岩盤が堆積岩の場合には炭酸ガスが採取され、堅固な基盤岩の場合には、水素ガスが採取される。
炭酸ガスは炭酸カルシュウムの熱解離現象から発生し、水素は水の熱解離現象から発生する
「押し引き」分布
1 円錐の軸が地表面と直角に近い角度で交差する場合
押し引き分布は円形または楕円形になります。
押し円錐の軸が垂直に近ければ、押し引き分布は円形で振動被害の激しい地震となります。浅い場所で垂直方向の爆発が起こるが、それが直下型地震というものです。揺れ方は縦揺れが激しい地震となります。震源の直上の地表では隆起現象が見られます。断層は逆断層となります。
東日本大震災は直下型に近いものでした。震源での爆発は上向きでして、押し領域で大きな津波が起きました。震央を離れた沿岸一帯は引き領域になったため、震源に向かうように地盤の沈降が起きました。震源での爆発によって発生する押し領域は、押し円錐の軸が傾斜しているので、海底に出現する押し領域は楕円状になりました。楕円状の外部は全て引き領域になりますから、津波の被害を受けた東北の沿岸地方は引き領域となり、震源に向かって移動します。したがって、東に向かって移動し、沈降現象を伴ったと思われます。
震源に近い宮城県東部の牡鹿半島では、陸地が東側に水平に5.2メートル動く地殻変動があり、沈降も1.1メートルありました。また、内陸側は沈降しました。この沈降によって津波の浸水域が拡大しました。
複数の地震が短期間に連鎖的に発生する連鎖震源になっていると考えられますので、津波を発生させた海底地盤の隆起は、沿岸に沿った方向に延びていることが推定されます。この海底地盤の隆起が、津波の第一波が「押し波」となり巨大津波を発生させた原因です。
津波被害を受けた東北地方の沿岸は、いずれも地盤の沈降が起きて、海水が引かない状況が起きました。
幸福の科学の霊査によると、ノストラダムスが、1998年に太平洋岸の一部の沈没を予言しておりました。時期は遅れ、規模は小さいが、今回の事を言っておられたのではないかと思います。
2 円錐の軸が緩い角度で地表と交差する場合
押し引き分布は双曲線型へと変化します。
傾きが強ければ楕円形分布です。
爆発の方向が斜めになっていると、地表での震動被害はそれほど大きくなりませんが、隆起する部分と沈降する部分が現れます。
スマトラ沖地震では、隆起と沈降の両者が現れました。津波を発生させた海底地盤の隆起は沿岸に沿った方向に延びた。この海底地盤の隆起が津波の第一波が「押し波」となり、巨大津波を発生させました。爆発は震源付近のマグマ溜りの形状によって左右されるのですが、傾斜が急であるので、押し領域は片方にしか現れません。震源における大爆発(爆縮)によって、インド側に押し領域が発生し、海底地盤を隆起させたと考えられます。一方、タイ側には引き領域が発生し、海底地盤を沈降させたものと考えられます。
3 震源が深くて 円錐の軸が水平の場合
震源がある程度深くて押し円錐の軸が水平方向に近ければ、双曲線型分布となります。
震源の直下でも直下型地震ではないため、振動被害は大きくありませんが、引き領域になり、震源に向かうように地盤の沈降が起きます。
地下のマグマ溜りが、水平で、かつ、巨大な大きさに成長していると、そこで起こる爆鳴気爆発はマグマを左右方向に押し広げます。結合収縮反応では、空になったマグマ溜りは潰されてしまいます。震源の上部にある引き領域は海底に沈降してしまうのです。「押し引き分布」は双曲線型となり、正断層が出現します。
このタイプの地震が大規模、かつ連続的に起これば、大陸規模での沈没現象もあり得るわけです。大規模爆発ですと、瓜生島が沈没してしまったような悲劇が起こる可能性があります。1596年に(別府湾で)起きた地震では、瓜生島・久光島が海底に沈没しました。高知湾では、黒田郡と呼ばれた広大な土地が白鳳年間(673~697)に沈没した例があります。
4 震源が浅くて 円錐の軸が水平の場合
震源模型を震源付近で水平切断すると、地表で「四象限型」に近い分布が現れます。
その実例が天竜川地震の分布です。
「象限形分布」とは、震源に仮定した小球面上での分布形式のことです。
複数の円錐が並んだと考えれば象限型になる。
象限型は震源が浅く、円錐の軸が水平なときに現われる特殊なケースです。
連鎖震源という考え方を導入すれば、象限型の説明ができるので、地震現象というものは、点震源か複数震源かは別として、原則として爆発(押し)と爆縮(引き)によってできる押し円錐によって現象の説明が可能であると考えているわけです。
断層は、右ずれと左ずれの水平断層が直交して出現します。
なお、関東大震災では、押し引き分布は変形した双曲線型でした。押し円錐の軸が水平ではなく、南東上がりに傾斜していたことが推定されます。
浅発地震と深発地震
通説では、震源の深さが60kmより浅いものを「浅発地震」、60km~300kmのものを「やや深発地震」、300kmより深いものを「深発地震」とよんで区別されています。
浅発地震
浅発地震は、いわゆる プレートの境界とされている海溝や海嶺近辺にて起こっている。
海溝とは、海底にある深い溝のこと。水深が6,000m以上のものを呼びます。
海嶺とは、海底にみられる山脈のことで、地殻の下部でマントル対流が上昇している場所です。マグマが出てくる火山のような場所になっています。
海溝や海嶺部分は、地殻の下を流れるマントル対流の沈降・上昇する場所で、解離度が変化しやすい不安定な場所だと思われます。マントルの移動が上下方向であるため、移動に伴って圧力と温度が大きく変化することで、解離ガスを蓄積しやすいのです。マグマオーシャンから上がってきたマグマの通路、マグマ溜りなどで解離爆発を起こしている。
海溝型といわれる海域部での浅い地震は、大量の水を供給されるために、地球内部にある無限とも言える熱エネルギーとからんで巨大地震を引き起こすのです。海底下の地殻内部で起きる亀裂の発生を主因とする「圧力低下」が原因の解離現象です。
ほとんどの地震は100km以内の地殻内部で起きています。
浅発地震の震動は長い時間継続するが、地殻の内部を反射と屈折を複雑に繰り返しているからです。
深発地震
深発地震は、(100㎞から700㎞の間で起こる)対流マントルの中で解離と結合の反応を繰り返しているものと考えられます。
深発地震はプレートが潜り込むために出来るのではない。熔融しているマントルの対流によって、水の解離度が変化するために起きる爆発です。地殻内部ではなく、熔融マントル内部で解離水が爆発を起こしていることが原因です。
深発地震は、地殻の下、マントル内で解離爆発が起こるが、その地震波が橄欖岩で出来た高速伝播媒体(地殻の低層に当たる部分)の内部を伝播していく地震です。その震動が地殻底部の緻密な(伝播速度の速い)岩盤を伝わって大陸方面に伝播していると考えます。
一方の浅い地震は、花崗岩や玄武岩という低速伝播媒体(地殻の高層に当たる部分)の中を伝播していく地震です。深発地震のほうが浅発地震より早く伝わるのです。
深発地震が関東圏・東北・北海道方面で強く感知される地殻の基盤である固い橄欖岩の層が地表に近く存在するからです。大陸部の地殻は厚く海洋部の地殻は薄いために、京都府沖の日本海や三重県沖のような遠隔地で起きる地震でも、地震波が上方の(モホ面下部の)地殻の固い部分を伝って、遠隔地まで伝わるのです。
深発地震面は、日本では太平洋岸から大陸に向かって傾斜して潜り込むような形状ですが、マリアナ海溝付近では垂直に潜るような形状をしています。深発地震面は熔融マントルが対流している姿なのです。
マントル対流によって地球内部に潜っていく熔融マントルには、海溝部付近での大地震によって取り込まれた大量の水が混入していると考えられます。この水は地球内部に進入すると、温度の上昇に伴って、解離する度合いが増加していく。
解離度が20%の領域から30%の領域に進行すると、最初は吸熱反応によって、周囲の温度が低下しますので、爆鳴気としての爆発は起こりません。しかし、深部へ進行すると共に、温度が移動して低温度領域が縮小していきます。爆破条件を満たすところで、着火し、爆発を起こします。
爆発後は安定した結合水の状態となり、次の解離度のゾーンへと進行し、同様のプロセスを経過する。
高解離度領域に入るたびに、解離水→爆発→結合水を繰り返して、結合水が無くなるまで地震は続きます。
解離度100%になるまで、解離度増加→解離水貯蔵→温度低下→温度回復→解離水着火→地震発生→安定結合水という過程を辿る。これが帯上になって深発地震面が出来るわけです。
結合水がすべて解離水になるまで地震が続く。したがって、700kmというような深部まで地震が起こりうるのです。
さらに地球内部を対流しますが、海嶺部に上昇するときには、爆発を繰り返しながら結合水に戻っていきます。上昇するときには、対流で解離水が拡散して、希釈され、量的に少なくなってしまうため、浅いところまで来ないと地震は起こらないと思われます。
すなわち、マントル対流は、海溝部から潜り込みますが、海嶺部で上昇する。海溝部では潜り込みがあり、地球内部を対流して、海嶺部で上昇していきます。一部はマグマとなって地上にも噴出する。ほとんどのマントル物質は地殻の下部で水平移動となる。
海嶺部で上昇していく理由は毛布効果であると思います。海溝部から潜り込み、海嶺部で上昇するわけだが、マントルを上昇させる原動力なのでしょう。
海嶺部の深い水深は、熱を逃しにくく、地殻内部のマントルは水深の浅い海域よりも温度が高くなります。暖められたマントル物質は上昇します。したがって、この温度差がマグマを上昇させるのだと考えられます。
マグマオーシャンのなかには、深発地震が全く発生しない領域もあります。解離を起こす水が存在しないか、解離の条件から全く離れているためでしょう。
海底や内陸部の地殻の下を対流するマグマは、圧力と温度の変化が乏しく、解離度が一定している為に解離ガスの蓄積が起こらない。
地球深部からマントルを伝播してくる地震波は、地殻底部の緻密な橄欖(カンラン)岩まで達すると、さらにその中を伝わり遠方まで達しますが、垂直方向には玄武岩や花崗岩があるために、細かな震動が吸収され無感地震になることが多い。
モホ面の下に地震波を伝える主体部分である、地殻の第二層を想定しています。熔融マントルの上部に存在するはずの固くて緻密な橄欖岩で構成される層です。そこまでの深さが、100km程度であろうと思われます。
ほとんどの地震は地殻内部で起こっているということです。それよりも深いところで起こる深発地震は、地上近辺で起こる地震にくらべると規模が小さく、数も少ない地震なのです。
深発地震とか小規模の地震というのは、ゆっくりとした反応で爆発は起こらず、爆鳴気爆縮のみという地震ではないかと考えられます。
地球深部(700kmより深い場所)においては、マントル物質には結合水が存在せず、100%解離水(酸素と水素の混合ガス)として存在しています。結合した水(H2O)の状態では存在しない。解離度が100%になったところが、地震の発生が無くなる領域であるわけです。
「異常震域」とは、震源地よりも遠く離れた場所で震度が大きくなるという現象です。震源地では無感なのに、遠い場所で有感になるのです。
柔らかい岩盤があれば、地震動は吸収されやすく、固い岩盤では減衰することなく波動のエネルギーを伝播させると考えます。それゆえに、深発地震の場合は、鉛直方向の震動は吸収され、地殻に沿う横方向の震動は遠くまで伝播する、これが異常震域が現れる原因であると考えています。
深発地震の異常震域は地殻の構造に秘密がある。異常震域となるのは、北海道,東北,関東地方の太平洋側である。北海道の深発地震と浅発地震でも、本州南方沖の地震でも、太平洋側がいずれも有感になっています。これは、第二層(橄欖岩の硬い岩盤)を通って震動が伝播されること、したがって第二層が地表面近くにある関東地方が揺れを感じ易くなっていることを示しているのです。異常震域が起きるのは、深度600kmというような、地球深部の熔融マントル内で起きた解離ガスの爆発(深発地震)震動が、地震波速度の速い地殻第2層(敏感な部分)が伝えるからです。その地殻第2層が地表に近くあるのが関東地域の太平洋側であるわけです。
震源上部(震央)では無感なのに、関東方面でだけ有感地震になったり、地震波の到達時間が関東では計算時間よりも早く到達するという現象です。この現象は、液体マントル上部にある橄欖(カンラン)岩で構成される緻密で硬い岩盤層(地殻の本体部分)が地表に近く位置するからです。大陸側の地殻よりも、海側の地殻のほうが薄いということに原因があります。
爆発が水平で震源の比較的浅い場合には、このような形で「異常震域らしきもの」が現れます。
異常震域内の観測点の地震記象はP波、S波とも短周期の波が多く含まれます。しかし、同じ観測点の記象でも、異常震域現象を示さない地震では短周期の地震動が、特に卓越するわけではなく、震源の位置によって記象の型が違う。海洋部の地殻は薄く、大陸部の地殻は厚いのですが、この地域、すなわち日本海溝沿いの地域は地殻が薄いために、硬い橄欖岩が地表に接近していて、地震に関して非常に感度の良い地域なのです。感度が良いということは、短周期成分を含んだシャープな震動を感じるということです。東京で観測する北海道方面の地震波には短周期成分が含まれますが、九州方面の地震には、短周期成分が途中で吸収されてしまって、含まれていない。
なぜ、地殻の上部(20㎞)に水平方向の爆発が多く、深部(40㎞)に垂直方向の爆発が多くなるのでしょうか。地震が起きるのは、マグマが流れる通路が、毛細血管のように配列されていて、その配管内部、つまりマグマ流路にできる「マグマ溜り」で解離水の爆発が起きるからです。
地震多発域というのは、地殻内部に毛細血管が細密に配管されているからであり、地震空白域には「まばら」にしか配管されていないからです。地震の起こりようがないということになります。
人間でいうと、毛細血管は皮膚の表面に細密に配管されています。皮膚の深部では毛細血管ではなく太い管路が配置されています。
毛細血管の配置図から推定できるように、浅い場所では水平方向爆発が置きやすく、深い場所では垂直方向爆発が起きやすいのです。マグマの流れがそのようになっているからです。浅い場所でも垂直方向の爆発が起こることは当然です。それが直下型地震というものですが、直下型地震では「震動災害」が激甚になるのです。
海振
「海震」というのは、船の上で感じる地震のことです。船乗りの証言では、航海中に海図にないような岩礁に衝突したのだろうか、あるいは潜水艦にでも衝突したのだろうかと云うような激しい衝撃をうけるのだそうです。しかし、少し離れた近くを走っている仲間の船には何も感じないと云う不思議なことがあるのだそうです。これは、地震波が屈折率の違いによって震源の真上に集中するので衝撃を強く感じるのです。津波が浅瀬に集中するのと同じ理由の屈折現象です。
チリー沖の地震津波が、大陸棚と直角方向にしか伝播しない というのは、波動の進行が逆の現象です。チリー沖の陸棚と日本海溝の陸棚が平行になっているが、それゆえに太平洋の向こう側の地震津波が日本沿岸を襲うのです。地震波も衝撃波だから、震源の真上を航行する船にしか衝撃を与えないのです。この「海震」という現象を見ても、地震がズルズルと滑って起こるような現象ではなく、爆発現象であることは間違いないと思います。
潮汐と地震
地上は海底よりも冷えやすい。深海では海水はそんなに激しく流動しているわけではありません。地上は激しい空気の対流で熱が激しく奪われる。大陸の地殻は厚くなっている。しかも、高い山があるほど、冷却効果がよく効いて、地殻は厚くなるのです。海域部の地殻は10km程度ですが、陸域は30kmもあります。
海洋の底が冷却され難いのは海水が存在するからです。
陸域よりも海域のほうが熱の発散は少なくて、同じ深さにおける地熱温度は海域のほうが高くなる。その高熱のために沈降した大陸地殻は、融解されて薄くなります。
その境界では厚さが違うために、海洋底から大陸方向への熱の移動が激しくなります。熱の変化は水の熱解離に大きな影響を与えるため、この辺りは解離水の爆発、つまり地震が多発するのです。
地殻は固体であり、卵の殻のような球状シェル構造でマントル物質をその内部に包んでいる。浮体構造ではない。球状のシェル構造であるから、その上部にある海水だけが潮汐力に応じて移動し、潮汐現象が見られる。
潮汐力は地殻の上にある海水だけに作用するのではなく、地殻内部の熔融マントルにも作用します。しかし、熔融マントルが海水のように移動しないのは、卵の殻のように薄い地殻ですが、しっかりと踏ん張っているから、動かないわけです。
地殻には1日2回の繰り返し荷重が潮汐力によって作動しています。1日2回の「伸び縮み」応力が作用し、疲労が進行します。疲労による破壊現象がきっかけとなって、海溝型の巨大地震が起こりますが、そのときの爆発によって、疲労破壊寸前であった場所の破壊が一気に進行すれば、そこで新たな地震が繰り返されることになります。周辺地域において地殻の疲労度が進んでいた場所が、群発的な地震発生の引き金になった。群発的地震が飛び地的に発生するのは、地殻の疲労破壊に伴う空隙発生で局所的な圧力減少が起きたことが原因であると推定されます。
東日本大震災では、この日本海溝付近に出来る疲労破壊を原因とするクラックが海溝に沿って発生したことが考えられます。それによって、短時間で数度の爆発を起こしたことが、破壊領域が数百キロにも及んだ、という現象の原因ではないかと推定されます。
スマトラ沖地震でも巨大津波が発生しました。スンダ海溝に沿って発生した地殻の疲労破壊クラックが圧力減少を引き起こし、震源が連鎖状に並んで連続的地震が起きたものと考えられます。
地球の中緯度帯で、しかも、冷却が進んでいる陸上部の地殻は疲労破壊を起こしやすいという。緯度が40度付近で大地震が起こりやすい。潮汐の原因である起潮力を受けて、疲労破壊する可能性が高いのではないかと思われます。
地殻内部に出来るマグマ溜りなどが空になる現象が、大量の海水を落下させるのではないでしょうか。これによる大量の解離ガス発生が巨大地震の起こる原因であると考えています。退潮現象が起こるほどの地殻内部の空隙発生が巨大地震の原因であり、その繰り返しによって大陸規模の沈降という大異変が起こる可能性があります。
環太平洋火山地帯では、マグマの移動による温度上昇が解離現象を促進して地震の原因になりますので、解離する量が多くなれば大きな地震になる。地殻の下を流れる熔融マントルが活発に動いていて、そこからたくさんのマグマの管路が毛細血管のように地殻内部に進入しているからと思われます。解離ガスの発生する機会が多くなっていると考えます。
中央海嶺の下では、マントルが上昇していて、解離度の変動が激しく地震が多発します。また、日本海溝・マリアナ海溝・トンガ海溝・チリ海溝などの海域では、マントル対流が地球内部に下降していますので、解離度が変動し、地震が多発します。
日本列島に地震が多いのは火山国だからです。浅いところにマグマが存在している。地震と火山噴火とは解離ガスの爆発現象という点で同じ現象なのです。
火山活動が見られない地域にも、地下にはマグマが毛細血管のようになっています。したがって、血管内を流れるマグマには解離ガスが含まれているので、地震発生の可能性はどの地域にも存在します。
地震の少ない地帯というのは、マグマの流れが少なくて、解離ガスの発生する機会も少ないからです。
海洋によって その周縁部の状況が極端に違っています。同じ海洋に面しているニューヨークなどで地震があまり起こらないのは、マグマの流れる管路が地殻内に少ないから、解離ガスの発生する機会が少ないのであろうと考えられます。
ダムの貯水位が高いような場合、高水圧で地下水を押し下げます。地下深部の解離状態を不安定にさせる。
ヒマラヤ地方には、冷却された地殻が厚く、ダムの建設で局所的に水圧を高くしても、解離状態を乱すほどの高熱地帯にまでは影響を与えないことが、地震を起こさないのではないかと考えられます。
地震の発生が、満潮、干潮から少しずれることがある。解離反応で下がった周辺のマグマの温度が解離ガスの着火温度に回復するまでに時間を要するからだと思われます。
地球の気温を左右する一因は雲の量です。雲が多ければ、カーテン効果で地球は寒冷化します。その雲の量は宇宙線によって発生するので、太陽が活発で宇宙線を吹き飛ばすときは、雲は少なく、地球は温暖化します。太陽活動は約11年周期で変動しています。
近年、世界的に地震や火山活動が活発に起きる傾向にあるのは、フォトンベルトなど、地球外からの電磁波的影響によって地下水の解離が進行し、地球内部で水素爆発が発生しやすくなっていることが一つの原因であるのかもしれません。少なくともプレート論では説明が不可能でしょう。
現在、地球が宇宙からの電磁波(フォトン・ベルト)を強く受けているために、地球内部の溶融マグマが加熱され、解離ガス(水素と酸素)が発生しやすくなっている。フォトン・ベルトの中は、電子レンジと同じ原理で、地球上の液体は内部のマントルも含めて温度が上昇する。温度が上昇すれば、マントル内部の「水の熱解離の度合」が変化し、地震の多発に繋がります。到る所で地震と火山の噴火が起きていることがこれを証明しています。
フォトンベルトの中に入っている現在は、地球が電子レンジで温められるような状況になり、地球内部の熱が温められます。その結果として、地震が多発する傾向になります。フォトンベルトから抜ければ、寒冷化し自然現象としての地震は少なくなるはずです。
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